第2話 反逆の狼煙

あれから15年たった


日本は完全に中国に支配された


日本人はすべての自由を奪われ、人以下の扱いを強いられていた


アメリカなどの大国も中国に押されつつあった……


20XX年8月、中国領日本、エリアF


アナウンス「本日正午より物資の配給を行います。支給を求める方は広場にお集まりください」


リン「ちっ、何が配給だ。大したものも寄越さないくせに」


ガイル「まあ、そういうな。今は耐えろ今は」


男「待ってくれ!!!俺は、ち、違う!俺じゃない!!助けてくれ!」


男の叫び声が聞こえた


リン「またか……」


ガイル「ここじゃ見慣れた風景だよな、んなもん慣れたかねえけどよ」


兵士「オマエ、日本人のクセにナマイキダ!シネ!!」


バン!一発の乾いた銃声が広場に鳴り響いた


兵士「ハハハハ、ざまあみろ!!」


バンバンバンバンバンカチカチ!


中国軍の兵士は弾が切れるまでその男に向かってうち続けていた


ガイル「奴らのいう、処刑だそうだな。何が処刑だ、ただいたずらに人を殺してるだけじゃないか」


リン「言うな、奴らに聞かれれば俺たちが今度は奴らのおもちゃになるぞ」


俺たちは見慣れてしまった風景を尻目にかけながら、まるでバラックのような住宅街をぬけ1棟のボロボロの崩れそうな洋館に入った


コンコンココン、リズムよくドアをノックした


男「トラトラトラ」


リン「われ、襲撃に成功せり」


男「よしっ、入れ」


ガイル「よう、お疲れさん。今日もすぐそこでひとりやられてたよ」


男「またか、奴ら調子に乗りやがって。昨日も1人子供をかばった母親を殺してたよ。いつまでこんな苦渋を舐めなければいけないんだ俺たちは!」


リン「臥薪嘗胆の気持ちだ、耐えろ今は耐えてくれ頼む」


男「わかってます、しかし!」


その時


通信兵「皆!来てくれ!アメリカと連絡がついた!」


通信兵が息を切らしながらこちらに駆け寄ってきた


今まで連絡が通じなかったアメリカと遂に通じたらしい


俺たちは足早に通信室に向かった


通信兵「こちら、日本のレジスタンス。神風、応答されたし」


アメリカ「神風、こちらアメリカの、ジークフリートだ。無事だったか!すまないな、中国軍の抵抗激しく長らく通信を返せなかった。許して頂きたい」


リン「私は神風のリーダー、リンだ。久しぶりだなレックス!そっちは大丈夫か?」


レックス「リン?お前か!元気か?こっちはなんとか互角にやってるさ、ロシアと和解してな手を貸してくれたんだ。おかげさまで首の皮1枚繋がってる状態さ。そっちはどうだ?」


リン「こっちは相変わらずさ、人が減るばかりで何も変わりはしない。だが我々も少しずつ力をつけてきている、反旗を翻す時は近いだろう」


レックス「やめとけ、負けるぞ?俺たちが力をかせる時まで待ってくれ!!!」


リン「何を今更、俺たちが力を求めたとき、何もしなかったのはどこのどいつだ?いや、お前に言っても仕方ないな、すまない」


レックス「そうだが、あの時は仕方なかったんだ!すまないと思ってる、だがもう少し辛抱してくれたら我々連合国も力を貸す!だから」


リン「それまで俺たちにただ指をくわえていろと?」


俺たちは何度も目の前で仲間、家族、友達、その他大勢の仲間たちが死んでいくのを見てきた、その度にやるせない怒りやいらだちに苛まれてきた


このままじゃだめなんだ!


レックス「分かった、俺たちもなるべく早く手を貸す。それまで持ちこたえてくれ!」


リン「ありがとう、感謝する、アウト」


ガイル「リン、ほんとにやるんだな?」


リン「ああ、俺たちはそのために今まで耐えてきた、みんなも同じ気持ちだろ?その時は来たり。人を集めてくれ、決起の時だ!」


…………


リン「皆聞いてくれ、俺たちは15年前、この地で奴らの侵略を受けた。我々は負けたのだ!あろうことか我々は奴らの言いなりになり、まるで奴隷のような扱いを受けてきた。目の前で家族が殺されたり、友が連れ去られたり、様々な仕打ちを受けてきた。だが!奴らがつけ上がれるのもこれで最後だ!我々の意地を見せる時が来た!侍の力を見せてやるんだ!たちあがれ諸君!決起の時がきた!奴らに目に物を見せてやるのだ!」


兵士「おおお!!!!日本日本日本日本!!」


リン「この戦い生きて帰るぞ!!」


決起の時だ、今我々は遂に反旗を翻すのだ!


奴らに、我々を虐げてきたものたちに目に物を見せてやるのだ!!


…………


ガイル「リン、作戦はどうする?ただ戦っても拉致があかないだろ」


リン「そこなんだが、実はな密偵からの情報によると奴らの王様とやらがな近々こっちに来るらしいんだ。そこをつく」


ガイル「だが、そうなると警備も厳重なんじゃ?」


リン「ああ、厳しい戦いになるぞ。だがそこに穴がある。いいか?ここは航空機が降りられる空港もなければ、船が船舶出来る港もない。そう、陸路しかないのだ。しかもその道も大橋を必ず通らなきゃ来れない。」


ガイル「なるほど、つまりはそこに警備は集中する!」


リン「我々はあらかじめその橋に爆弾を仕掛ける。そして当日奴らが来たらドカン!コレで終いだ。だが、成功するかはわからない。一応戦闘準備はしておこう」


ガイル「上手くいくといいな、やってやろう!」


リン「おう!頼むぜ親友!」


俺とガイルはがっしり握手を交わした


この作戦が、成功するか否かですべてが変わる


俺は作戦に備え武器の手入れや、周りの地図を眺めることにした…………


遂にこの日が来たのだ、遂に!


……………………


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