第6話 ごめん先生、俺やっぱり・・・

「はーい日直、号令!」

「起立、礼。おはようございまーす」

「「おはようございまーす」」

(あ、ででで・・・)

筋肉痛、思ったより酷いな・・・。てか昨日の一件で教室の空気がピリピリしてる。

まあさすがに担任の三島先生も空気を読んでくれるだろう。

「ここで、大事な連絡がある」

ゴクリ・・・。

クラスの皆の唾を飲む音が聞こえる。何かあったのか?

「実は・・・、先生、3年ぶりに彼女が出来た!!」

「「「・・・・・は!?」」」

おい、空気読め!俺達のこの空気壊そうとしたの!?だったらなおさらギルティだよ!・・・クラスの雰囲気も怒気を孕んでいて・・・。

「いや~苦節3年!頑張ってきた甲斐があったって」

「「「ふざけるなーーー!!!!!」」」

あ、爆発した。

「空気読め!」

「葬式ムードだっただろ!」

「俺の彼女返せ!」

「「「それはお前のせい!!」」」

「ええ~!?」

ブーイングの嵐(例外含む)だな。なんか鋭いツッコミも入ってる。

「ま、まあとにかくだ。俺に彼女が出来たので、授業中ぼーっとする事や惚気、早帰りがこれから常識になることを理解しておいて欲しい」

「「「ええい、黙れーー!!」」」

「ひいん!?」

「ぼーっとすんな、授業しろ!」

「先生の歴史が一番理解できるんだぞ!?」

「惚気とか聞きたく無えんだよ!」

「早帰りは俺がしたい・・・うおえっ」

おい大丈夫か!?

「理解も了承もできん!」

「本当だ!俺も惚気たいんだよ!なのに別れちまって!責任とれ!」

「「「だからそれはお前が悪い!!」」」

「うそおん!?」

とにかくあいつを早退させろ!吐きそうだぞ!・・・顔色、ブルーベリー色だぞ。

もうあの有名な「○鬼」みたいだぞ。

「んじゃあ、そういう訳で!一限は数学だから、用意しとけよ!」

「「あっ!逃げるな!?」」




「この場合の定義が、半回転分が~」

さっぱり理解できない数学を聞きながら、ぼんやりとツブヤイッターを眺める。日々の事を書き連ねたり、ゲームの進捗、イベントのお知らせなんかを行ったりするサイトだ。俺はかなりのヘビーユーザーで、「アスト@日々空気人間」ってアカウントはかなり人気。中は俺。

「はいじゃあこの問題を・・・相模!答えて」

「うぇ!?・・・わかんないでーす」

「まったく・・・。いいか、この三角形がだな・・・」

いやツブヤイッターやってる最中に聞くなよ!・・・まあどうやっても無理だけど。

「というわけでこの△ABCと△DEFがだな・・・。相模!?」

「あ、聞いてます!」

っと、着信だ!短いからアンナか。

『あんたの担任、彼女が出来たそうじゃない。やっちゃって』

あ、やっぱりい!?

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