2時間目 2

一方その頃。

ここは1階、下駄箱。この校舎には生徒用が2ヶ所と職員・来客用の1ヶ所の計3ヶ所の出入り口があるのだが、当然の様にどこも鍵がかけられた上に取っ手が固定されていた。

どこか他の脱出口を探すしかない。

もし本当にどこか一ヶ所でも脱出口があればの話だが。

そんな訳で高坂とそれに恐る恐るついて来た面々は2~3人ずつに分かれて手分けしてそれを探す事になった訳だが…すぐに彼らも思い知る事になった。

調理室に行った者が3人『ヒト肉の香草ロースト~トリュフとキャピアを添えて~』や『これがほんとの目玉焼き』や『A型とО型のブレンド血液ドリンク』等に変えられ

理科室に行った3人が生きたまま麻酔無しで解剖されたり、『まぜるな危険』と書かれた洗剤を混ぜた物を飲まされたり、電流を流されてピクピク痙攣したり

保健室に行った3人がオーバードーズさせられたり強姦されたり性器を切り落とされたりして

約30分間で男4人と女5人が死んだ。




もはやこうなっては高坂も含め誰も冷静ではいられなかった。

彼らは命辛々逃げ出し、廊下にある広いホールに集まった。

当然パニックが起こったが、しばらくして高坂が男女問わず拳で黙らせた。

「ああ……くそ…最悪だな…」と頭を抱えて本気で悩む高坂。

「高坂…何とかしてくれよ…」と山口に武田に清水に阿部が縋り付く様に近づく。彼らはかつて高坂と共に不良行為やいじめを行っていた連中だ。

しかし流石にイラっと来た高坂は彼らを睨んで言った。

「ざけてんじゃねえぞ。俺頼みか?あ?」

「だ…だって…こん中で一番強いの、お前だし…」

それを聞くと高坂は言った。

「…そんな事言って、どうせてめえらいざとなったら俺を囮にして逃げようって腹なんだろ?見え透いてんだよ」

図星だった様で山口達は言葉に詰まった。

「もうあの頃とは違うんだよ。お前らが俺を上手く囮に使ってたあの頃とはなあ」

「そ…そんな事ねえよ。見てろ。絶対ここを出て、親父に頼んで、今度こそお前の親父をクビにさせてや…」

 武田が不敵な笑みを浮かべてそう言い終わる前に高坂の拳は彼の顔面に刺さっていた。

「……やってみろよ。ここから出られたらなあ」

「……てめえ……」血を吐きながら高坂を睨む武田。

「どうせ俺がネンショー入ってから俺んちはどん底落ちてんだよ……」


AM01:25 20-9=11(男8 女3)

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