十九節 不道徳への支払い難い対価(弐)

 ツクシは僅かな光源を頼りに視線をぐるぐる惑わせた。

 半神の寝所にある光源はひとつだけだ。ベッドの枕元に植物油を使うランプが置かれている。オレンジ色の灯りは頼りなく部屋は闇に淀んでいた。ツクシの鼻先がギクシャク動く。香木の青くて甘い匂いだ。ベッド・サイド・テーブルに置かれた香炉から白い煙が細く立ち上っていた。寝所は古代樹の香りと後ろめたい女の色香で溢れている。

 ツクシを怯ませている半神の女は、ベッドの上でクッションに上半身を埋めて、分厚い革表紙の本へ手をかざしていた。

 光無き瞳で文字は読めない。

 半神は奇跡の触覚で文字をる。

「――散々、探したぞ。因果の円環を断ち斬るもの」

 顔をうつむけたままキルヒが歌った。

 楽器のような声色なのだ。

「そ、そうかよ、俺を探させたか? ああ、その前にだな。お前、その、何だ――」

 ツクシは渇いた喉から呻き声を漏らした。

「キルヒ・アイギス=シルフォン。キルヒと呼べ」

 キルヒは片方だけ曲げた膝の上で開いていた革表紙の分厚い本を閉じ、細い顎を上げて歌うように名乗った。

「く、九条尽だ。ツクシでいいぜ。いや自己紹介も大事だけどな。おい、キルヒ。お前、その格好は――」

 ツクシは半神の青い横顔を強く睨んでいる。目元は黒い眼帯で隠されているが明らかな美貌だ。部分的に隠されているがゆえ、よりいっそうその色香は濃く匂う。

「何だ、ツクシ?」

 キルヒが首を傾げると、長々とした黒い髪がさらさら動いた。

「お、お前はそのな。どこをどう見てもまる裸なんだが。お、お前は目が見えないみたいだが、俺は見えるんだぞ。視力はかなりいいほうだ」

 ツクシが掠れた声で指摘した。どこへ視線を遣っても女の色香にアテられる場所を移動してきたツクシは我慢の限界が近いのである。

「ツクシ、女の裸は嫌いか?」

 キルヒが眉を寄せると、その眉間から独特の色香が朦々と立ち上る。

「ああ、いや。そ、それはもちろん、大好きだけどな――」

 色々と強張ったツクシの前でクッションに肘をついたキルヒが青い肉体からだよじった。

「だ、大好きだけどな。流石にその――」

 ツクシはふるんふるんと揺れる青い乳房を凝視している。ガン見である。かなり大きい。

「お、男にとっては目の毒だと思うぞ――」

 ツクシは、青い曲線美を描いてやわらかく捩れる腰や、これ以上ないほどバランス良くあぶらのついた青い太ももや、もじもじ蠢く太ももの間にある淡い茂みの箇所を視線で何度もなぞった。必死である。

「しっ、しかも、お前はその格好のままこっちを向くのか――」

 ツクシはハアハアと肩を震わせながらうつむいた。

 ツクシの完敗だ。

 裸の肉体からだを隠すものを、ベッドの脇からもってくるのかな――。

 ツクシは予想していたが、それは間違いだった。くねくね身悶えしながら、その青い裸体を起こしたキルヒは、そのままベッドの上で胡座をかいて寝所の出入口で固まったツクシへ向き直った。この部屋には弱い光しかないとはいっても見えるものは見える。丸見えだ。

 そうして、

「ふっ」

 胡座のキルヒが細い顎をしゃくった。

「『ふっ』じゃねェだろ。こ、この、いい加減にしろ!」

 ツクシが鼻息を荒げたまま半神の寝所へ歩み寄った。

 かなりぎこちない足の運びだった。

「ツクシ、貴様はゆくつもりなのだろう?」

 キルヒがいった。

「な、何だよ、いきなり?」

 ツクシは青い裸体に吸引されていた自分の足を強引に止めた。

 無意識のうちに上がっていた両手も慌てて下ろした。

「異形の巣の最下層へ――」

 キルヒが顎を引いて歌った。

「――ああ、そこが俺の目的地だ。だが、何故、それをお前が知っている?」

 同じく顎を引いたツクシもできるだけ低い声で訊いた。

 それでも、その声は上ずっていた。

「私も共にゆこう」

 キルヒが濃藍色の唇に笑みを浮かせた。

「そ、それはお前の好きにすればいいけどよ。あのな、キルヒ、その前にな――」

 ツクシはキルヒの色気に呑まれて安請け合いをした。

「ふっ――」

 キルヒが鼻で笑った。

 ツクシの返答に満足したようである。

「と、とりあえず、キルヒ。その肉体からだの上に何か羽織ったらどうだ?」

 歯を食いしばりながら告げたツクシは、あとひと押しで理性が崩壊しそうだ。

「キルヒ、その疲れた身体で、またネストの下層へ行くつもりなの?」

 眉を強く寄せたサラである。

「それは無理だにゃあ――」

 ルナルナが瞳と猫耳を伏せた。

「は、裸でか! 月黄泉つくよみエルフ族ってのは露出狂の傾向があるのか? ま、まあ、それも悪くはないかも知れんが――」

 ガバッと振り返ったツクシがよくわからないことをいった。サラとルナルナは悲しそうな顔をツクシに向けた。キルヒを心配しているのか、ツクシのオツムの出来栄えを憐れんでいるのか不明瞭だ。両方かも知れない。

「ツクシ――」

 キルヒが柔らかな音程で呼びかけた。

「な、何だ、キルヒ?」

 ツクシは青い裸体に視線を戻して生唾を呑んだ。

「女が入用か?」

 キルヒが青い美貌を傾けた。

 濃藍色の唇の間でピンク色の舌がぬらりと動く。

「それはいつでも要るぜ! だ、だけど、キルヒな――さ、先に、ほら、人払いをしないと――」

 ツクシが背後へ視線を送った。

 半神の寝所の出入口には、サラとルナルナ、それにチョコラが佇んでいる。

 気を使って、さっさと消えろ。

 邪魔だ、お前ら――。

 ツクシは鋭い視線で訴えたのだが、真剣な顔の三人はその場から動く気配がない。

「ツクシ、残念だが、その要求には応えることができん。しかし、その他のものなら、私は全てを貴様に捧げよう」

 笑顔のキルヒだ。

 それだけは駄目らしい。

「何だよ、ここまで見せつけて、やらずぶったくりか! この女めが――」

 ツクシがツカツカと歩み寄ってキルヒの首元へ肘を押し当てた。

「あ、ん――」

 軽く押されただけで、キルヒは仰向けに倒れて声を上げた。

 そのまま片肘だけを使って青い裸体をベッドへ沈ませ、その上へ覆いかぶさったツクシが、

「おい、キルヒ。こんなふにゃふにゃの肉体からだじゃあな、俺のお相手どころかベッドから立ち上がるのも無理だろうぜ。ここまで弱っているお前がネストの最下層を目指すだと? 一体、何を考えていやがる。死にたいのか?」

 ツクシの血走った目に色々な殺気が漲っている。

「まっ、間違いない。貴様で間違いない。こうして『触っても』、まだ信じられん――」

 息を荒げたキルヒがツクシの襟元を両手で掴んで引いた。これでお互いの身体が密着する。触れた場所へ沈み込むような柔らかい女の肉体の感触だ。それがツクシの全身から侵入して背筋をゾクゾク音を立て駆け抜けると頭の芯へ一息に流れ込み――。

「――くおっ! お、おい、キルヒ、ちょっと、もうちょっとだけ待て、お前!」

 ツクシは想定外の対応を受けて情けない声を上げた。

「もうその身のうちにまで刃を持つか。嗚呼、貴様こそ因果の円環を断ち斬る為に生を受けた、流離さすらいの――」

 キルヒの青い香気を含む熱い吐息がツクシの顔にかかる。

「ああ、いや、キルヒ。ちょ、ちょっと、ちょっとだけ待ってろ。その前にだ。後ろで見ている邪魔なのを全部追っ払おうな、な? それから、ゆっくりじっくりとだな――おい、こいつ、寝ていやがるぜ?」

 聞き苦しい説得を途中でやめたツクシは、勢い良く振り返って自分の乱暴未遂を眺めていたサラとルナルナとチョコラへ抗議をした。彼女たちもツクシを強く睨んで抗議している。ツクシの身体の下になったキルヒは寝息を立てていた。

 向き直って表情を消したツクシは無言でキルヒの乳房を触った。

 小さく頷いたツクシはそのままモミモミだ。

「――んふっ」

 キルヒは眉尻を下げたが、しかし、目は覚まさなかった。外道を目撃して血相を変えたサラとルナルナとチョコラが、ツクシの背を目がけてツカツカ歩み寄ってくる。

 ツクシはモミモミに一心不乱で気づかない。

 そのまま後ろからツクシは一斉に殴られそうだったが、

「俺の愛しきひとを、それ以上、誘惑してくれるな」

 風の声が彼女たちの拳を止めた。

 全員がグーの拳だった。

「あぁん?」

 ツクシが男性の声を耳にして不機嫌な声を上げた。

流離さすらいの剣士よ――」

 風の声は大気に溶けてゆく。

「――今のは誰の声なんだ?」

 ツクシは怪訝な顔で呟いた。

「シルフォンさまです」

「大精霊様の声だにゃん」

 ツクシの背後に迫っていたチョコラとルナルナが殺気立ったままの表情で教えた。

「――シルフォン? 大精霊? ああ、確か、一度、ミュカレがその精霊とやらを呼び出してゲッコと大喧嘩をやっていたよな。もしかしてキルヒも、あの超おっかないのを呼べるのか?」

 眠っているキルヒにこれ以上の悪さをするとブッ殺されるかも知れんぞ――。

 そう判断したツクシはキルヒの裸体へ視線を残しながら離れた。

「ツクシ。最近のキルヒは唐突に寝入ってしまうんだ」

 サラが眠りについた半神を見つめた。

「突然眠る? 睡眠発作症ナルコレプシーなのか? キルヒの肉体からだは――けっ、健康過剰に見えるが――しかし、何てエロい肉体からだだ。何を食って育ったらこうなるんだ。クソッ、ふ、ふざけるなよ!」

 ツクシはキルヒの裸体を食い入るように見つめたまま声を震わせた。

「さあ?」

 サラがかぶりを振った。

「私たちには、全然わからないのにゃ――」

 ルナルナが呟いた。

「キルヒさま、そんな格好で寝たら風邪を引きます――」

 小さな声で呼びかけたチョコラが薄い掛け布団をキルヒへかぶせた。キルヒはその掛け布団を巻き込むようにして寝返りを打つ。半神の女は熟睡しているようだ。

「何にしろ、この様子だとキルヒはネスト探索どころか立って歩くのも無理だろうな」

 青い裸体がようやく視界から消えて、落ち着きを取り戻した様子のツクシが低い声でいった。

「うん、ツクシ。そうなんだ――」

「それでもキルヒは無理をしたがるの――」

「――はい」

 サラもルナルナもチョコラも心配そうな顔である。

 視線を落として考え込んでいたツクシが、

「――ああ、そうだ。病気ならゴロウに診てもらえよ。あれはヤブもいいところだが、それでも一応は専門家プロだと自分でいってる。よければ、俺がゴロウに連絡を取ってやろうか?」

「そうだね、そうしたほうがいいかも知れない」

 サラが頷いた。

「うにゃ、お店へ定期健診にくる布教師アルケミストはあまり頼りにならないからね」

 ルナルナが弱く笑った。

「――よく寝てるな。目を覚ます気配が全然ない」

 ツクシが呟いた。

 眠る半神は目を覚ましてるときの迫力も色気もなかった。

 無垢な童女のようにすら見える。

「次にキルヒが目を覚ますのはいつになるかな――」

 サラが呟いた。

「ツクシ。それも全然、わからないんだにゃ――」

 ルナルナが苦笑いでいった。

 ベッドの脇にあった椅子へちょこんと腰かけたチョコラは、寝入った半神をじっと見つめている。

「じゃあ、話はこれで終わりなのか。キルヒは俺に何をいいたかった――ああ、それはそうとだ。サラ、ルナルナ。さっきの話の続きなんだが、この風俗店の料金体系はだな――」

 ツクシがまた訊いている最中、サラとルナルナが右と左からすっと身を寄せた。

「――おう。サラ、ルナルナ、どうしたんだ?」

 ツクシは怪訝な顔だ。

「じゃ、ツクシ。今から私たちと遊ぼうか?」

「大サービスするにゃん?」

 サラとルナルナは甘い態度と甘い声で誘った。

「ああ、サラとルナルナが二人揃って俺の相手をしてくれるのか。それは贅沢な話だがな。でも俺はあの舞台にいた、ものすごいおっぱいの女の子が気になって――」

 渋い顔でぶつくさいっていたツクシは、左右から押し当てられたサラとルナルナの胸の谷間へ代わる代わる視線を送ったあとで、

「――まあ、これでも、いいか」

 口角を歪めて見せた。


 王座の街一番の娼婦の園には時間の制限というものがなかった。酒場宿メルロースは「来客は金がある分だけここで遊ぶべし」そんな運営方針なのだ。娼婦の職場用天幕のなかで、サラとルナルナに、長い時間、こってりと相手してもらったツクシはもう十分満足した。

 しかし、

「ツクシ、何を生ぬるいこといってるの。もっともっと遊んでいけ!」

 サラとルナルナは(男にとっては)完璧に近いその肉体のすべてを見せつけたまま、そんな感じでツクシを煽った。煽るついでに二人の高級娼婦は枕元にあった導式メモ帳のタッチ・パネルといじりだした。ツクシが訊くと「これは連絡用の導式具なの」と教えてくれた。親機と子機の間でメッセージを送受信できるらしい。ふかふかのベッドの上で高級娼婦二人組にチヤホヤされながらツクシが待っていると、超高級な酒だの旨い料理だの珍しい果物の盛り合わせだのが、次々と黒服の手で運ばれてきた。

 サラとルナルナの肉体からだの各部を食器代わりに使う、贅沢でふしだらな腹ごしらえをツクシが終えると、

「次はお風呂で身体についた料理の油と汗を落としなさい」

 今度は二人から命令された。

 命令である。

 風呂場へはサラとルナルナも同行して、ツクシをピカピカに磨いた。その最中、図らずして復活を果たしたツクシは、その場で二人をまた相手した。他人の視線がある大きな風呂場でイタしても全然平気だ。他の客や娼婦もそうしていたからだ。そこはまさしく堕落の園だった。

 大満足した途端、「これ以上の長居をしたら、こいつらに何もかもムシり取られてしまうのではないか――?」ツクシはそんな気持ちになって怯え始めた。

「いやいや、まだまだ、これからこれから――」

 サラとルナルナがテカテカと艶めく娼婦の美貌を左右に振った。今からホールで夜の出し物が始まるので観てから帰れという。例の踊り子の列に加えて様々な大道芸人が参加するド派手な出し物だ。両脇にサラとルナルナをはべらせたツクシが、ホールで出し物を鑑賞している最中である。

「これ、疲れがとれるよ」

 悪い笑顔のサラとルナルナから、ツクシは薬酒を勧められた。サラもルナルナもそれを口にしているようだ。警戒しつつ、ツクシもそれをぐっと飲んでみた。

「えっ、あんた、一気飲みするの!」

「信じられないほどの馬鹿だにゃん!」

 サラとルナルナが揃って驚きの声を上げた。それは苦くてすごく薬臭い酒だった。十秒後、ツクシはズボンの前のほうを突き破りそうなほど「元気」になっていた。それは本物の薬効がある酒だった。何が成分なのか知れたものではない。

 薬の力で強引に復活させられたツクシは、サラとルナルナの手でまた娼婦の職場へ引きずり込まれた。そこではベッド脇の丸椅子にちょこんと腰かけてチョコラが待機していた。

 ツクシはびっくり仰天の表情だ。

「チョコラはこのお店の見習いになったんだ」

「ツクシは知らない間柄じゃにゃいからね。チョコラの修行相手にちょうどいいにゃ?」

 サラとルナルナは笑った。

 ツクシはまったく笑えなかった。

 強く恥じらう様子を見せつつも、椅子からスックと立ち上がったチョコラは俄然やる気のようだった。

 ほどよく熟した甘い果実二個と禁断の青い果実が一個。

 これら三人を同時に相手したツクシは、シラフのひとなら目を背けたくなるような乱れた行為を夜通し繰り返した。絞り取られるどころではない。削り取られ続けたツクシは、最終的に正体を失った。男性でも気絶してしまうことは稀にあるのだ。明け方、「ハッ!」と意識を取り戻したツクシは透き通るように白く細い四肢を自分の肉体からだへ絡ませて、幼い寝顔を無防備に晒すチョコラを見た。

 今さらのようにツクシの胸が罪悪感で痛くなる。

 薬に酔って大罪を犯した大馬鹿な中年男のツクシは、とても暗い表情で同じベッドにいたサラとルナルナへ、

「これで十二分だ。やれることも、やったらヤバいことも、全部、やりつくした。もう思い残すことは何もねェ。こんな生活をあと一日繰り返したら俺は死んでしまうだろ。死ななくても完全に廃人コースだこれ。頼むから、ここらへんで帰らせてくれ――」

 床に全裸で土下座のツクシへ、全裸でまとわりついて誘惑していたサラとルナルナは渋々の態度で頷いた。その間、昨晩に蹂躙された未熟な裸体を蹂躙した当人へわざとらしく見せつけながら、ベッドの上でモジモジ赤面していたチョコラはすごく残念そうな顔になった。

 一昼夜だ。

 店で一、二の人気を争う高級娼婦二名と、デビュー前のうら若く希少価値がうんと高い娼婦を独占して遊びに遊び尽くしたツクシは、会計として金貨二十九枚と銀貨八枚を黒服の若者から請求された。プルプル細かく震える手で支払いを済ましたツクシの財布のなかには、それでも金貨一枚と銀貨数枚が残っていた。サラとルナルナが正面まで出て帰路につくツクシを見送った。二人とも満面の笑みである。

 チョコラまで見送りに出てきた。

「ツクシさま、また、お店へいらしてくださいね。わたし、待ってます」

 頬を赤らめて瞳を伏せたチョコラは、小さな声でいじらしく、「あるだけ金を使ってくれる、扱いやすいお客さん」へ再会を要求した。その上でチョコラは「わたしと約束――」とか何とかゴニョゴニョいいながら、小指を立ててツクシへ突き付けた。あざといことこの上ない。サラとルナルナから顎で何度も促されたツクシは歪めた顔を赤くしながら、チョコラの小指へ自分の小指を絡ませた。

 ツクシの胸が針千本でまた痛む。

 そうしたあと、

「おう。じゃあ、またな、お前ら――」

 ツクシは美しく、愛らしく、そして悪魔のような娼婦たちへ力なく別れを告げた。

 頬がゲッソリとコケたツクシは真っ直ぐ歩くことすら難しい。

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