このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(402文字)
世界史のお勉強。ふんふん、ためになるなぁと読んでいったらラスト!いや、私もやりますけれども(笑)他の方も言われていますが、合間合間に挟まれるわんわんたちのうんちシーンが頭に残って離れません。これなんていうんでしたっけサブリミナル効果?
ググってウィキってしまった。事実は小説より奇なり。あと犬かわいい。
タイトルの時点で笑っちゃうのでずるいです。のんびり、平和で、ちょっと物騒な、犬のお散歩中のお話です。歴史って、習うときは物々しく教わるけれど、視点を変えたらおもしろ話(笑っていいのか?)になってしまうことがある。事実は小説より奇なり、なのか。それとも尾ひれがついた「盛られた」お話なのか。そんな風に、歴史のなりたちに思いを馳せてしまう作品です。
実に見事な作品。場面は公園で犬の散歩をしているただの学生と、定年退職した暇そうなおばさん。そして横でフンをしてる犬、それだけ。なのに何故だろう? 話が気になって仕方ない。それはきっと歴史というテーマの切り口にあるだろう。実際に人が何人も死んでるし、当事者にとっては深刻極まりない事実なのかもしれない。でもおかしいでしょ、人投げちゃうなんて。そんな視点で見てみると、歴史は限りなく愉快な小説なのかもしれない。是非おばちゃんの立ち話を盗み聞きする気分で読んでほしい作品。
てっきりそれがきっかけで争いが――という話と思ったら、そうではありませんでした。ガチの戦争が始まっちゃってるのです。ていうか、プラハの人、どんだけ窓から人投げるの好きなのよ……。最後のオチにも脱帽です!(笑)
だいたいそういう粗筋です。嘘ではありません。ありませんが言葉足らずも甚だしいのでもう少し足しますと、歴史の面白さを表現した一作。二枚のフィルターを通すことで歴史の出来事が物語性、それも昔話のような非現実感を帯びてくる不思議な味わいを持った作品です。ぜひ。
この時間はタイトルで吹いた案件ですよねー