09 祟神勅 from 天照
は~い。
私はねぇ。あまり機嫌が良くないの。
皆と約束したから、岩戸の中に引き籠っちゃおー。とは、思わないんだけど、度重なるショックな出来事のせいで、心がとても傷ついてるの。
ウフフ。
貴方がこの世界に存在し始めた時の事は、まるで、昨日の事の様に思い出せるわ。
貴方は、私から発せられるコロナの熱が、
ねぇ。覚えてる。
私が貴方に“八咫烏”の名前を与えてあげた事。
小さな貴方は、私の為に頑張るって誓ってくれたのだったわね。
ええ、解ってるわ。
小さな貴方は、本当に頑張って、私の使者達を、何度も、何度も、道先案内してくれたわよね。
ええ。私、ちゃんと解ってる。
だから、私。“道先案内人”が必要な時は、貴方しか思いつかなくなっちゃってたの。
貴方にまかせておけば安心。って、思い込んじゃってたのね。
だから、
伝言よ。伝言。
普通、こういう事って本人が、直接、主人に願い出るものじゃないかしら?
え?何?私って、そんなに甘く見られてるの?
チョロイの?
でも、それはまだいいの。
一時の気の迷いって、誰にだってあるものね。
あの子のゲロ甘なノロケ話にあてられちゃったのよね。
伝言だったのも、私に直接、言っちゃうと後戻りできないもんね。
そうそう。
運命の
GETおめでとう。
でも、さ。
どうして私は、その結婚式に呼ばれていないのかしら?
私って貴方の主人よね。
しかも、貴方という存在をこの世に顕現させた“創造主”━ある意味“親”よね。
普通、真っ先に呼ぶものじゃないかしら?
もしかして、
「鬱陶しい上司を呼ぶなんて冗談じゃない」派なのかしら?
「
でも、それって、すごく悲しい事なのよ。
これからの社会神生活において、どれだけマイナスになるか解るかしら?
そうそう。
娘さんも産まれたんだったわね。
見た事ないけど、可愛いんでしょうね。
知ってるかしら?
今、私の孫の
日向って何処にあるか知ってるわよね。
そう。
貴方が、伊賀古夜さんと勢夜陀多良ちゃんと暮らしてる
ウフフ。
天孫降臨の噂なんて聞いた事ある?
無いわよね。
私さぁ。
「やった。これで
って、本当に嬉しかったの。
他の御伴については、ぼんやりとしか決めていなかったけど、
道先案内人は、八咫烏しかいない!
って、一人で盛り上がってたのね。
それなのに、蓋を開けてみたら、
忍穂耳は結婚して、私はお祖母ちゃんになってるし…
それでも、瓊瓊杵の顔を見て
(可愛いから許そう)
って、自然に思えたの。
仕切り直して、
「さぁ、出発だ」って日に、道先案内人を呼んだら、いないんだもん。
誰も何の反応もしないのよ。
解る?この空しさ。恥ずかしさ。
明後日の方に連れて行ってくれちゃったわよ。
ねぇ。
こんなになっちゃったのって、誰が悪いと思う?
「もう自分は退職してるんだから関係ない」?
私、受理してないけどね。
ごめんね。
私、弟達みたいに、しでかした超本人をぶった斬るなんて、生易しい事してあげないの。
親の因果が子に報いって言葉、知ってる?
もし、会ってたら、情が移っちゃってたかもしれないわね。
でも、会ってないから…
情が移ってないから…
私、貴方の子供、祟っちゃいましたぁ。
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