05 これは策略?それとも天然?
「ねぇ、
にっこりと微笑む
「いえ。お母様。彼等は間違いなく、日向の高千穂に天降りましてございます。…いやぁ。良かったですねぇ。無事、
天照は、そう言いながら後ずさる忍穂耳の胸倉を掴むと、唾の届く距離まで彼の顔を引き寄せると、
「ざけんじゃねーぞ。コラッ。かんっぺきに道、間違えてんじゃねーか。なんで日向に行ってんだよ。何のために、出雲に国譲りさせたんだよ。あそこが一番、栄えてるから拠点にしろって事だったんじゃねーのかよ。あん」
そこまで言うと、天照は忍穂耳の胸倉を掴む力が抜け、忍穂耳の胸から腹へと指先を辿らせながら、大きなため息をついてへたりこみ、ブツブツと独り言を言い始めた。
「やられた。国津神にしてやられた。くそっ。あいつら、
忍穂耳は、どうにか天照から距離を取ろうと試みたが、それを許してくれる天照ではなかった。
天照は、息子の気配を察知すると、
「まだ、話は終わってねぇ」
と、息子の腰帯をギュッと握り、
「それもこれも全部、
忍穂耳は、母の剣幕に押され、全て洗いざらい告白する事に決めた。
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