内部事情

初戦は手痛い敗北で終わった物の

殿に志願したリックの評判があがった。


だが・・・


「次の弾込めがに時間がかかりすぎる

 これをどうにかできないことには

 まだ弓を使っていた方がましだ。」


この時代に生まれ始めた、遠距離武器「銃」の開発である。


そしてそれと間接的に関わる、「開発費用」という問題と直面することに。


貴族を役割を放棄し、遊びほうけるなど論外だが

真っ当な形で借財が増えることは時代の節目ではよくあること

つーか、我がアベルトン家も、家が抵当に入ってるのね。


「おまえが、これに興味あるなんて珍しいな。」


「アース兄・・・!」


「一応このミルトアとの戦が終わるまで住み続けていい契約になってる。

 それまでに次の計画を立てないと。」


「じゃあこの劇団への、援助は何です。」


俺は兄貴に一枚の紙を突きつける。


「民間に人気の集まりのいい物に投資して

 その収益で税を軽くして上げようとおもったのだが・・・

 これは検閲担当の部下からも評判が悪い。

 ここへの援助は打ち切るべきか。」


「あ・・・。」

シンシアちゃんの夢をぶち壊すことになる。

彼女は、働きながら借金を返しつつ、

この劇団に入団して、女優を目指している。

そして自らの手で楔を引き抜く力を得ようとしている。

ゲームだとオーディションに落ちたシンシアに対して

リックが「僕の家から審査員に手を回す。」とかほざいて

完全に墓穴を掘っていた。

(当然プレイヤーが止める発言をするのが正解)


ちょっと待てよ・・・

「なあ、アース兄、今ロバート殿はどうしてる?」


「渋々、交易隊の末席に入ること、了承してくれたよ

 これでようやく他の人にも、仕事が割り振れる。」


ロバート・ユナイセス

「シンシアの父・借金を作った元凶

 ゲームだとただの酔っぱらいにしか見えないが・・・

 無役勢力への顔利きの役割も持っている。」


・・・思ったより重要な役割持ってやがった

無役(仕事がないので)への顔利き(こっちに回せ)


「我らが亡き父の右腕だった男、

 権力争いに巻き込まれて、職を追われた後も

 あらゆる費用を負担していたが、それも限度があった。

 簡単にお嬢さんを差し出すほど参っていたとは

 もっと早く僕が動くべきたったよ。」


「あれ?でも兄貴、シンシア嬢との見合いって

マースェ王女の話よりも先に割り込ませてなかった。」


「こっちの方が責任が少ないと思ったまでだ

 おまえはまだ、嫁さんを養える甲斐性がない・・・

 と思っていたんだが。

 なんか最近変わったな、おまえ。」


じっと兄貴はこっちをみる。


「この調子ならば、この戦争が終わった後ネーデルに引っ越した後も

 食いっぱぐれなく仕事にもあり就けそうだ。」


「へ?」


「家を引き渡した後の、仕事の件も話が付いてる

 そのためにもこの戦争はこちらが勝たないとな。」


兄貴はニヤリと笑う。








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この体は敵役貴公子 @kazuocall

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