残念ですがコツコツ以外ありません

 公営プールなどで、こまった現象が起きていると聞く。

 露出度の高い水着を着て、そんなことをしておいて「ジロジロ見られた」「セクハラだ」と騒ぎ立てる女性がいるのだそう。若い女性だけでなく、なんと中年女性でもそんなことをする人がいるそう。あえて言いがかりをつけて騒ぎを起こして、気分を害して去った相手がいた場所に居座る(要するに最初から場所取り目的!)とか。

 男性でも、ギリギリ陰部は隠れているがお尻なんか丸出しの水着で腹ばいで寝ていたり、プールの中には入らずファッションショーのランウェイ歩くみたいに練り歩いていたりする。まるでプールよりも見せることが目的みたいに!

 若い男子学生の近くであえてビキニポロリをやってみたり。ただの事故ならまだしも、「じっと見たでしょ!」なんて言いがかりをつけるためにやる人もいるので注意。こういう人たちがいると、普通に泳ぎに来ている親子連れは居心地が悪い。

 なんで、こういう人ができるのだろう。そしてこういう人にこの瞬間「人に迷惑をかけるようなことをするな」ということを言ったとしても、「ごめんなさい私が間違ってました! 二度とこんなことはしません!」とは9割方ならない。



 NHKの「みーつけた!」という子ども向け教育番組で、子どもが二人、置いてある色々な形の箱を積んで、どちらが高く積めるかを競うコーナーがある。思慮深い子は大きい箱を土台にして、上に行くほど小さいものを選んでバランスをとるが、特に何も考えない子はなんでも適当に積み上げるので、小さい土台の上に大きな箱を置いたりして、すぐにグラグラして倒れてしまう。

 ジェンガという遊びもそうだ。その瞬間をうまくやればいいというものではなく、そこまでどういう手を打ってきたか、どういう積み重ねをしてきたがすべてで、その瞬間に成功のためにできることというのは、範囲が非常に狭い。もう、そこまでの行動でだいたいのことが決まっているのである。



●あなたが今そうであるのは、それまでの積み重ねでほぼほぼ決まっており、この瞬間に自分を劇的に変えることはできない。



 他人もそうで、今「そういう人」なら、何を言っても注意しても変わらない。その人に何の向上心も危機感もないなら、5年たっても10年たっても大して変わらない。

 だから、もしあなたが変わりたければ、毎日毎日、5年かかろうが10年かかろうが変わりたいという気持ちを持ち続けて行動すると腹を決め、覚悟なさい。

 もし、自分ではない誰かを変えたいと思ったら、すぐには変わらないことを覚悟で接し続けなさい。数年単位でその変化を考え、あきらめず関わりなさい。

 ほんとうに、コツコツでしか人は変わらない。確かに、劇的に短い時間で人が変わったようになることもあるが、それは人工的意図的には起こせないイベントで、もっと大いなる力の介入したもので、個人ではどうしようもない。だから、そんなものを期待してはいけない。

 今日も一日。明日も一日。あなたが「良い」と思う自分を目指して、小さな石でもひとつ積み上げよう。いつかそれが、大きな石塚となることを信じて。たった一日積み上げなかっただけでも、たかだか百年あるかないかの人の人生、悔やむことになるかも知れない。

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