自分の事務所を起ち上げる

 俳優の堺雅人が、長年所属してきた芸能事務所を退所した、というニュースが流れた。彼に限らず、近年大物俳優がもといた芸能事務所を辞めて独立、というニュースはいくつもあった。



 なぜそのようなことになったのか、という理由を一番分かっているのは本人を含む当事者たちである。一応「こうではないか」と思われる理由を芸能記事も考えて書く。大手芸能事務所に所属することのメリット・デメリットがあるからだという。


【メリット】


・芸能界に顔が利き、仕事を取ってきやすい

・それなりに影響力があるため、何かあった時に守ってもらえる


【デメリット】


・組織(社長を含めた上層部)の意向は絶対であり、逆らえない

・事務所が考えるその俳優(タレント)のイメージというか、売り出したい方向性というのがあり、それに反することは本人の希望でも却下される。仕事を選別される

・仕事を取ってきたり守ってもらえたりする分、ギャラはある程度マージンを取られる。全額は流れてこない



 おそらくだが、これから売り出していこうとする者・駆け出しの者・ブレイクはしたがまだ経験が十分でない者には、大手芸能事務所に所属することは大きなメリットがある。

 しかし、芸能界で十分に力をつけ、独力でも影響力と戦う術をもつ者であれば、今挙げた大手事務所のメリットは必要ではない。自分の身は自分で守れる自信があるからだ。そして、ただデメリットばかりが残る。そこで考えるのは、独立すれば自由にやれる上、ギャラも個人で動く以上中抜きされず総取りできる、ということ。

 ただ、生半可に売れているだけでは、これをしたら危険である。やはり、不動の地位を築いたと自他ともに認めるほどでなければ危険だ。こんなはずじゃなかったのに、ということになる。最近では、米倉涼子あたりが納得の例であり、はやまったのが手越祐也の例である。



 スピリチュアルという世界は、「先生」「指導者」と呼ばれる少数の者に、圧倒的多数が「ファン」「お客さん」として群がる格好になっている。

 もちろん、最初はそれでいい。一人として、生まれながらに人の上にだけ立って、教える立場しか経験しない者などいないのだから。

 でも、スピリチュアルをやっている人の中には、先生と言われる人間の言うことだけを教科書のように聞いているだけでは「物足りない」「満足できない」人たちも出てくる。それはまさに、あなたはスピリチュアル界における堺雅人になったのだ。

 いつしかその人は、誰かにあり方を学ぶのではなく、自身がそれをもうつかんでいるがゆえに人に聞いたり頼ったりしなくてよい次元に成長したのである。



 そうなったら、大手有名スピリチュアル指導者の追っかけなどしなくていい。大金を投じる必要もない。(もちろん、依存ではなく感謝の意から時々何かお金を落としてあげるのはアリ)むしろ、成長したのにこれまでと同じ在り方ではデメリットのほうが大きくなる。

 筆者が賢者テラになったタイミングは、まさにそんな感じだった。特殊な体験(悟り)をしたというのももちろんあるが、「もう外から学ぶ次元を抜けた」ことが大きい。肉体を持ち、一定の性格的傾向をもった人間なので、欠点も持ち続け失敗だってする。でも、人生や宇宙の根幹にかかわる原理・思想に関してはもうどんな宗教やスピリチュアルからも学ぶものは残っていない。



 あなたも、自らに問うてほしい。私はどっちだろうか、と。大手事務所に守ってもらうほうがいい段階なのか、もう魂の独り立ちをしていい段階なのか。

 まだ前者だな、と思う人はさらに問うてほしい。いったいいつまでに卒業する見通しなのか。人は怠け者なので、ちゃんと考えておかないとズルズル年ばかりとることになりかねないから。

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