Q&Aのコーナー第七十四回「チャネリングってどうしたらできるようになれますか?」

Q.


 賢者テラさんのように、何かからメッセージが来るようになるにはどうしたらいいでしょうか?



A.


 どうしようもありません。

 そもそも、何とかしてそうなろうとする時点でアウトです。



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『チャネリング』という言葉がスピリチュアルの世界にはある。

 その大まかな定義は、『通常の五感を通してとは異なる方法で、人間を超えた超越的ななんらかの存在者(必ずしも全知全能ではないが、たいていの人間より知恵や洞察力においてまさっている相手という前提でないとやる意味がない)とコンタクトを取り、なんらかの情報を受け取ること』だと言える。

 それができる人のことをチャネラーと呼び、チャネリングの対象はが宇宙人だったり他次元人だったり、天使だったりなんぞの「霊」であったりする。



 筆者がやっているのが、その「チャネリング」に該当するのかどうかは分からない。一方通行であること(こちらからはどうしようもない)、また相手に関してどういう存在か皆目分からないこと。それらの点から、純然たるチャンリングかどうかは何とも言えない。

 ただ、降りてくるメッセージが自分個人の人間的経験や知識から出たものでないことは、感覚として分かる。

 このチャネリングの世界では、「訓練(学習)次第でチャネラーになることは可能」というスタンスをとっているようである。なので、「私もチャネリングができるようになりたい!」と思う人が出たとしても、仕方がない。スピリチュアル指導者の中には、チャネリングを教えるための「講座(セミナー)」に人を集めてお金を稼ぐようなのもいる。



 筆者は基本的に、「自分から望んでなることはできない」というスタンスである。結果的に「できるかムリか、イエスかノーか」ということ以前に、「チャネリングができる自分になりたい」と思うこと自体のあなたの幼さが問題なのだ。

 その程度の人物に何かのメッセージが降りてくるようになっても、かなりの確率であなたは適切に扱いきれない。きっと、エゴに取り込まれいいように利用し始める。行き着く先は、富と名声という大変残念なものにベクトルがずらされてしまう。

 幼児に包丁を託すようなもので、「チャネリングしたい」という者にホイとそれが与えられることは危険なのだ。なぜかをここから説明しよう。



 あなたは、朝から晩まで寝ている時以外の意識がある時間は、色々な「心の声」「内なる声」が聞こえてきませんか?

 腹減ったなぁ、とかこれ面白いなぁ、とかこいつ腹立つなぁ、とか。四六時中、内なる声って聞こえているでしょう。

 チャネリングをしたいと思うような人に少なくない傾向は、「自分を良い方向に導いてくれたり、利益をもたらしてくれるような言葉が聞きたい」わけで、普段聞こえてくる内側のささやきに関しては、大した価値を感じていない。

 腹減ったとか、それこそ「くだらない」内なる声だと思っているかもしれない。でも、それだってあなたに伝えられている「内なる声」であることには違いない。



 チャネラーであるための資格どない。

 なる人はなるし、ならない人はならない。

 ただ、チャネラーだろうがそうでなかろうが人として持つべき姿勢がある。



●内なる声に、値打の上下はない。みな等しく、あなたにとって何らかの意味があり、使いようによってすべての声があなたのプラスに還元できる。



 自分にすでに与えられている「内なる声」に感謝も満足もできない人に、チャネリングなど過ぎたおもちゃだということだ。ロクなことにならない。

 近所の子どもも好きになれない大人が、アフリカの子どもを救う親善大使になぞなれない。たとえその座を射止めても、まずきちんと務まらず破綻する。



 意図的にどうしようもない世界はあるものの、チャネラーに憧れる人に言いたいことは「自分の内なる声にまず満足できていない人間が、もっと上に手を出すな」ということである。

 自らの内側で満足し完結している人は、チャネリングなど憧れない。でも皮肉なことに、そのような人物が「できるようになったりする」。なぜなら、その人物に能力を与えても安全だからだ。

 しかし、「チャネリングしたい」などと願うような人の大半は、自分の内側に満足していない。心に欠乏感がある。だから外に「求める」のである。自らの価値が高まるような、外側からの何かが注がれることを。

 そのような人物には、まっとうな筋からのチャネリングはまず与えられない。その人物が適切に扱ってくれるとは思えないからである。危ないおもちゃは与えないが吉。ひどい場合は自身の名声や金儲けの手段にする下心だけだからね!



 もちろん、この話題に関して絶対正確なことは分からない。

 ただ確かなのは、チャネリングしたいと望むような人に仮に能力が与えられても、かえってその人のために良くない、ということである。

 動機は様々だろうが、まず確実に「見栄、虚栄心、自己否定や劣等感を和らげたい裏返しとして生じた願望」だろう。あなたは聞きたくないかもしれないが。

 こういうのも悟りと同じで、欲しいと追うほど逆の結果になり、手放すことで逆にそこに至る可能性もあるという、難しい世界のものなのである。

 そろばんやパソコン操作のように、「一定の学習と訓練をすれば誰でも習得可能」 なものじゃない。能力が「欲しい」レベルの者には与えられるべきでないほど、とてつもない力である。



 また、その能力には「使命」や「責任」がセットでついてくることもお忘れなく!

 ただ、それだけ与えられて「あとは好きにしなさい」なんてうまい話があると思いますか? 社長の座を与えられたら、わーいやった! であと自由に遊び暮らせますか? 社長の座を守るため、会社を発展・維持させるためにやるべきことは山ほどあります。

 何かの意図があるからこそ、メッセージは来る。ある目的をもって、あなたに与えられる。そのあなたには責任がある。握りつぶしたり、何もアウトプットしなかったり、しても使命以上に自分の金儲けや商売のほうに比重がかかっていったり。

 有名人も、一般人よりお得な面も多い反面、リスキーじゃないですか。最近の有名人のニュースやバッシングを見ても分かると思うけど。

 その覚悟が、おありか? と問いたい。



 厳しいことを言います。

 チャネリングしたいと言う前に、自分の内なる声に十分耳を傾けなさい。

 そこからの貴重な声(多分あなたは貴重とも思ってないでしょうがね)を拾えてない者が、なんでできるはずがあるか!

 まずは、内側で満足できるようになって、出直してきなさい。

 たとえそれができても、「チャネラー候補者登録者名簿」に名前が載るというだけで、実際にお声がかかるかどうかは分からない。もしかしたら、一生ないかもしれない。その場合でも、腐らないがよろし。

 あってたなぼた、なくたって自らの内的世界があるだけで素晴らしいではないか。

 日々、何か思ったり感じたりできるだけで、感謝ではないか?

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