意地悪な覚者の意図
スピリチュアル世界でしばしば耳にする意見の中に「精神性の高い人間は、何であれ人を批判しない」というものがある。
これに関して筆者は、「そう言っている人のいる段階こそ幼い」と申し上げる。
なぜなら、理解が一面的に偏っているからである。そこが見えてなくて、自分がさも上等な人間にでもなったかのように得意げに、筆者のような発信者を見下し、ニセモノ呼ばわりしたりする。
そのこと自体はぜんぜん構わないんだけど、まったくその人のためにはなっていないのでお気の毒である、というだけ。
前回の記事で紹介した無明庵EO(エオ)という人は、私とやり方が似ている。
その人物の常套手段は——
●わざと相手を不快にさせる
……というものである。意地が悪いというよりも、ある狙いをもってやっている。
ひとつ注意したいのは、「誰にでもそういう対応をするわけではない」こと。ある人種を選んでそうする。さて、その人種とは——
●自分のことを、「他人よりは多少は物事の道理をわきまえている」と思っている。スピリチュアル的真理を他人よりはつかんでいる、という自負(自信)を覗かせている人。
自分は魂レベルにおいて人類全体の平均より上(たいがいの人よりマシ)だと思っている人。自分は分かっているという上の立場から、「どれどれ、こいつのレベルのほどを見てやろう」という感じで指導者層に近付いてくるような人種。
そういう人種に対して、その人をバカにする言葉は有効である。
リトマス試験紙のようなもので、逆にその人の化けの皮が剥がせるからである。
無明庵EOは、そういう「気位が高い」人種にわざと相手がイラつく言葉を投げることで、相手の反応を見て色々判断する。そのためにあえてその人の怒りそうなことを選んで言うのであって、決して素が意地悪だからとかいう低レベルな話ではない。
これは、逆に言えば愛であり、親切だと思うよ。
世の誰が、嫌われ役を買ってまであなたに気付かせようとしてくれる?
皆、あなたに嫌われたくなく、問題を起こすのが面倒だからとりあえず優しくしていることに気付かないの? アンタずいぶんおめでたい人だねぇ。
世の大勢の人は、自分に表面的に心地よいかどうかだけで、愛かそうでないかを判断する。そしてそうした判断は、絶望的なほど的外れである。
人は、自分の中の問題を隠したがる。そう簡単には他人には見せない。
見える部分だけをすべてと思って、我々は人間関係をもっている。
自分を考えてみなさい。出してない部分、人に言わない部分がかなりあるでしょ? そしてそれは他人もそうだと考えたほうがよろしい。
身もふたもないことを言えば、あなたがもつ人間関係の9割以上が表面的なものだ。あなたも例に漏れず他人には隠している大事なことがあって、それでいて隠していることすら忘れているようだから、思いださせてあげるのだ。あなたの本当の立ち位置を。あなたが正味の現実、どの程度の精神レベルかを。
皆飾っている。そしてその飾った部分を自分だと思って悦に入っている。
指導者レベルにもそれがいて、さらに自分で考えない猿たちが、その人物を応援して盛り上がっている。実に面白い現象だが、もう私にはどうでもよい。注意をする気も失せたから、愚者の宴を続ければよい。
3年間程度、人気商売としてのスピリチュアル活動をやらせていただいたが、人集めと人気取りはもういいや、と本気で思った。
筆者は現在大きく世間様から取り上げられることもなく、本当に必要としてくれる数少ない人たちのために、ひっそりと活動している。一時とはいえ少々は幼い世間に「問題提起くらいは出来た」のが満足なので、もうあとはどうでもよい。
本書においても、表現手法においてわざわざきつめの表現だったりするのは、読者の中のエゴの反応を引きずり出すためである。エゴは手ごわいので、あなたを気持ちよくさせる優しいメッセージばかりでは一生出て来ない可能性もある。そこを私があえて荒療治してやろうというのだから、これは親切である。
しかし、残念ながらそれを親切だと分かる人はまだ今の世では少ないので、嫌われるわけだ。EOも私も、正直に言い過ぎて人気がでないところは共通している。(いや、これはでてはいけないだろう!)
EOの方は、私より大変だ。最期には宇宙に絶望して、自死してしまった。
批判そのものがいけない、というのはくだらない意見だ。あえてそれをすることで、相手のエゴの正体を見極めることができる。
もちろん相手も相応に「できる」やつなら、落ち着いた返答が返ってくる。
「ほう! ならば私が馬鹿だと指摘するその根拠をご説明願いたい」と興味をもって逆に問うてくる。
幼い人なら「人にそんな言葉を投げつけるあなたはニセモノだ! わざわざ訪ねてきて損したわ。さようなら!」となる。自分が馬鹿にされた・傷付けられた、というところしか見えないのだ。
EOは、自分の方が上でコイツを正してやろうとやって来たスピリチュアル指導者や大学教授にこの手法を試し、現れた彼らの本性にあきれ、この世界に絶望してきた。たいがいは、優越感肥大バカだったから。単なる成功セレブ、恵まれた状況にいただけの人だったから。
●ゆるしや優しさに代表される、「感情面での気持ちよさ」で人が成長するのは限界がある。
ある段階では、誰もが苦痛を伴う登竜門(イニシエーション)を通過するもの。
それを本能的に避ける者は、やさしさ、無条件の愛、無批判の領域に逃げ込む。そうやって、ユルフワスピリチュアル集団を形成する。
その後群れを維持し防衛するために、筆者のような存在を批判し、あるいは黙殺する。そうやって、この宇宙はいつまでも続いていく——。
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