批判も感謝、の化けの皮
スピリチュアルな発信(ブログ・書籍等)でたまにお目にかかる文章がある。
それは——
●批判も感謝
この世界は、陰陽の二元世界。
よって好かれたり、賞賛されることばかりというのは無理。
結局この世界はバランスなので、賞賛の声が大きくなれば、批判もまた宿命的に起こってくる。だからまぁ、批判が大きくなるということは(その人物の主張が大外れである可能性は除き)、それだけそのメッセージは広がっている(人気が出てきている)ことの裏返し、と受け取ることもできるわけである。
非二元の感覚を垣間見た者がこれを言うなら分かる。
理屈だけではなく、実感としてこの世を見切るので、やせ我慢ではなくそう思うことも可能だ。
(筆者はあまり感謝ワザは使わない。イヤなものはイヤだと普通に思いたいので)
でも、その数はまだそう多くはないと見る。なのに
●あのさ、君たち。
それ、実感というより受け売りじゃない?
単なるやせ我慢じゃない? 格好つけ?
自分に言い聞かせているだけじゃない?
どう考えても、批判が好きな人なんていない。
いたら、おかしい。(別におかしくたっていいのだけど)批判を喜べているように見える人がいるなら、それは自然にそうできるというよりは確実に何かの「テクニック」を使っているはずである。
例えば、友人に無理やり連れて行かれた苦手な恐怖映画。怖さを回避するために打てる手は『手で顔を覆うこと、下を向いて画面を見ないこと』。
どうしても効果音や雰囲気からは逃げられないため、多少はダメージを受けるが、直撃を避ける工夫をしているので何とかしのげたりする。
これは、批判を感謝とまではいかなくても、最低限「ダメージを受けない」ためのテクニックである。
もちろん、この世界には本当に批判に対するとらえ方が見事で、最終自分のプラスに転換できる人がまれにいるのは確かである。でも、筆者の目から見てもそう多くない。
多くは、他の受け売り。あるいは「なるほど、それいい」と思ったのでその便乗。
もっとひどいのは、できてない自分に言い聞かせているレベルなのに、それを
非二元マスターは、批判を感謝どころか、まず「批判とは何か」という定義の時点からしてすでに認識が違う。ゆえに、「批判(というものが存在するという前提)が感謝」と本気で言っていては、マスターではない。(可能性として、魂の旅途上の者を助ける意味であえてその人の段階に合ったことを、確信犯的に言っている場合もあるが。)
たいがいの人は、本当の意味で批判を感謝などできていない。
無理せんと、自分の胸に手を当てて聞いてみ? やせ我慢はいかんなぁ。
いやなものはイヤ、でええんやで!
その素な気持ちを頑張って曲げてまで、ごまかしてまで「感謝」と思おうとするなら、残念だがその涙ぐましい努力はムダである。
余計に、あなたを素直さから引き離す。感謝できてる! と思えても、そのほとんどは批判を正視しない逃げから生まれた成功に過ぎない。目の前の恐怖映画を、顔を覆ってやりすごしたに過ぎない可能性が大。
健全でない批判への感謝、という無理ができてしまう背景には、「心の一部がマヒしているが、それに気づかない(あるいは気付きたくない)ようにしている」という特徴がある。しかもそれは、無意識にであるから始末が悪い。
スピリチュアル発信者さんたち。カッコつけるのやめようよ。
分かってるよ。本当に出来て言っている人は少数。
自分の力量を、分限をわきまえることは、恥ずかしいことではない。
むしろ、カッコイイことである。
批判は、好きになる必要はない。頑張って感謝する必要もない。
本当に、本当に素直に思えるのでなければ、感謝などする方が体に毒。
酒に弱い人が飲み過ぎたら、結果は明らかでしょう。
「批判は感謝」という言葉は、無責任にやたらめったら言うものではない。
できるレベルの人が実態として多くないので、このメッセージは多くの平均的な人を苦しめる。なまじ真理に聞こえるだけに、誰も批判できない正論であるだけに、よりたちが悪い。
今の世界の現状では、この内容はあまり不特定多数に向けて発信しないほうがいい。筆者は批判に感謝などしないが、それで幸せに生きるのに全然問題はない。
●素直な反応をしましょう。
批判を素直に聞いて、自然に起こる思い、感情を観察しましょう。
何であれ、その思いを大切にし、そこから「次自分がどうしたいのか」を見ましょう。間違っても「批判は感謝すべき」と、最初から構えて迎え撃ってはいけません。
それは、正しいということに名を借りた、不自然なコントロールです。それをこそ、手放しましょう。
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