健全な怒りとは

 宇宙で起こることはすべて、究極には中立であり、同価値である。

 これから話すことはその視点では話さない。この幻想世界視点で、そこをうまく生きる上でのテクニックにあえてフォーカスしている。そのつもりで、お読みいただきたい。



 さて、この世界には『怒り』というものがある。

 ソースはもっぱら「イカリ」が大好きな私であるが、そんなことはここでどうでもいいね!

 喜怒哀楽、という感情のバリエーションはどれも大事である。怒りがダメで、喜びの方が値打ちが上、というのは(筆者ワールドでは)的外れな判断。

 うどんかそばか、ラーメンかスパゲティか、というバリエーションの違いでしかない。でもそう言ってしまっては先の話が続かないので、 あえて怒りというものについて「こんな怒りはOK」「こんな怒りは損よ」という話をしてみよう。



 私が世を観察すると、怒りというものは多くのケースで「要求」がひっついている。例えば、原発のことで怒っているなら、そこには「原発やめろ!」という要求もセットである。子どもを成績のことで叱るなら、そこには「もっと頑張れ」という要求もセットである。

 つまり——



●怒りをもつ時、たいてい怒る対象への要求が存在している。

 こうあるべき(なのにそうではない)、だからちゃんとしろという内容が含まれている。言葉にはしなくても、怒るということはたいていそういうものである。



 私があえて指摘する「健全でない怒り」とは、この種のものである。

 要求が伴う怒りである。

 筆者も、もちろん日常生活で怒る。でも、私のはちょっと違う。

 説明をすると、こういうことである。



●私の怒りは『僕、怒ってますヨ!』ということを表現するだけの怒り。

 そこには、相手への要求などない。ただ、私が「怒る」という感情を体験していますよ、ということが相手に伝わればいい。



 私は、宇宙を、そしてシナリオを信頼している。だから相手を何とかしよう、とは思わない。なので、要求もない。

 ただ、自分が「怒っている」状態にあるという、ただそれだけが相手に分かればそれでいい。

 相手も命だ。神だ。あとは相手自身が思い考え、最善の行動を起こすだろう。

 もちろんその最善とは、こちらの思い通りのことを指さない。何であれ、起こることが最善。 



 あなたが怒った時には、その怒っている気持ちだけを伝えると良い。

 そこへ「だからアンタは~すべき」という要求まで絡むと、余計苦しみが増す。だって、あなたの思惑通りに事が進む可能性は低いから。

 皆さんが「思い通りにいかない」ことでストレスを感じるなら、それは思い通りにいかない、という事実そのものは犯人ではない。あなたが「思い通りにいくべきなのにそうなっていない」と設けているその要求基準こそが、苦しみの犯人である。



 私は、自分の子どもを怒ることがある。

 でも、「~すべき」という基準に合わせる意図を隠し持って怒ることはほとんどない。(絶対とは言えないのでこういう表現にはなる)

 ただ、感じたことを娘に伝える。ムカッとしたから、その気持ちを表現するだけ。

 もちろん、それを客観的に他人が見たら筆者が「怒っている」と見えることだろう。でも実際には、ただ感じた気持ちを相手に表現している、というただそれだけの話である。

 子どもとのその刹那の関係性の中で、その感じた気持ちのバリエーションが単に「怒り」だっただけである。

 これは不思議なことだが、いちいち「~しなさい」という怒り方よりも、ただ何に関して怒っているのかを告げるだけのほうが、相手は察してくれ結果としてこちらがしてほしいと思っていた行動を取ってくれることが多い。



 だから、この世には「怒る」「笑う」「悲しむ」「泣く」など、明確に区別される別々の行為が存在するわけではなく、ある視点からはそれらすべてが次の言葉で集約できる。



●感じた感情を表現する。



 ただ、それしかない。

 その表現に、思考が考え出す「要求」を引っ付けると、ややこしくなる。

 ただ、そのややこしくするのだって勿論この世ゲームでは一興である。それも、ある意味楽しかろう。



 参考になるかどうかは分からないが。

 怒る時に相手のこうあるべきを突きつけたり、相手が不十分なことを責めないで、ただ、感じた「怒り」を表現するだけという風に、シンプルに怒ってみませんか?

 そして怒りの感情を伝えた後は、要求せず『信頼して』待ちませんか?

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