「それ」 にフォーカスしてるから
『私が社長です!』
APAホテルの元谷芙美子社長は、宣伝に顔を出しまくった。
すると案の定、苦情が殺到したそうな。
「オバハンが顔を出すな!」ってな具合に。
これに対し社員たちが、どうしましょう? と苦情対策を相談しに行ったら社長は、困るどころかニヤリとしてこう答えたという。
『それでいいんです。
実は、それこそがねらい目。
人は、物事の良し悪しという表面ばかりを見る。
でも、これでホテルの存在と社長である私の顔が皆さんの記憶に残る。
どう思われるかよりも、そこが大事。
見てなさい、これからよ!』
確かに、広告見てなんじゃこの社長? とは誰もが思うだろうが「関心を持つ」ということでは完全に一本取られている。
やっぱり、ホテル選びでは印象に残っていて知っているところを選ぶ。
実際にサービスなどの質は良いので、一回でも足を運ばせてしまえば、あとはリピーターになってくれる確率が高い。そもそも良いものを提供できているという前提は必須だが、的を射たこの戦略はさすがと言える。
●宇宙は、否定形を理解しない。
宇宙は、未来形を理解しない。
宇宙は、修飾語や形容詞を理解するのが苦手だ。好きやキライ、いいや悪いという部分はすっとばして「それ」の内容しか聞いてない。
これが、今回のテーマである。
さっきのアパホテルの社長の戦略は、まさにこれを利用したもの。
この社長、キモッ! そう人が思う時、キモッという部分は、全然重要ではない。
その人の無意識の中で残っていくのは、「キモッ」ではなく「社長」である。
人もまた、宇宙であるから。相手によほど強烈な恨みでもないかぎり、否定形と修飾語はセットでメモリーされない。思い出す時によほど意図的にならないと、しっかり思い出せない。
例えば、親が大嫌いという子どもがいるとする。
あんな親にはなりたくない! そう強く思ってきた。
でも、いざ大人になってみて気が付いたら、あれほどなりたくないと思ってたオヤジに似てきた! そういう自分を観察して、愕然とするケースがある。
●ああはなりたくない、と思っても
その「ああ」の内容を意識しフォーカスしているので、宇宙は(あなたの正体は)「これ好きなん?」と誤解する。
(本当は誤解ではないが、あなたの自意識という名のエゴを基準にすると誤解)
虐待を受けた子どもが大人になって、自分も虐待してしまうケースがある。
あれなど、部外者は不思議で仕方がないはず。だって、自分がされてイヤだったでしょ? なら、誰よりも「私はすまい」と思うんじゃ?
事は、そう簡単にはいかない。虐待された子は、「あんな親にはなるものか」と強く思う。しかしその時「なるものか」よりも、「あんな」という内容だけが意識に強く残る。
このことから、言えるアドバイス。
●反面教師はやめたほうがいい。
成立しないから。
ああなりたくない、と強く思ったらああなるから。
これはいやだ! と思ったらこうなるから。
これだけは避けたい、と思ったらうれしいほど当たるから。
宇宙は、あなたの願望の否定形の部分を削除して考えるから。
~はいらない、~にはならない、という形での願望表現や意思表明をしないほうがいい。宇宙にとって、「イヤよイヤよも好きのうち」って本当なのだ。
別に、時代劇に登場する好色悪代官だけではないのだ。
「よいではないか~」「イヤァ~」
宇宙は未来形を理解しない、というのは別の執筆記事でも書いてきた。
復習になるが、「お金が欲しい」というのは宇宙には理解しがたい。
「今」しか理解しないから。
だから、必死で考えて「今」という概念に適合するように工夫する。
●そっか!
今はお金がない、という意味ですね!
そうそう。確かに。
だから、お金がないという実感をもっと強化してくれる現象を、親切にくれる。
「欲しい(今ない)」という理解できないところは都合よく聞き流して、分かるところだけ拾いやがるのだ。
結局、大事なのは「あなたが具体的に何を意識(イメージ)しているか」である。
それをどう思っているのか、どう評価しているかは重要じゃない。どれだけ、意識を向けているかそのエネルギー量こそがものを言うのである。
だから、キライであってもそこに意識を向けているなら、宇宙的には「好き」と大して変りないのだ。避けるなら、「キライ」はダメ。「無関心」でしか、引き寄せずに済む方法はない。
だから、何か(誰か)を批判するなら、実は好きなのと同じである。
宇宙的には、エネルギー量そのものこそが重要なのであって、そのベクトル(方向性)などに意味はない。そこに意味を付けるのは、人間の思考・エゴ (価値判断)だけである。
マザー・テレサの「反戦の集会なら行きませんが平和のための集会なら出ます」というのは、このことを言ったものだ。「反戦」という言葉の中に「
なのだ。戦争反対という主義の人がなぜか好戦的な性格なのは、そのためである。
●嫌うなら、実は好きだと言うようなものだという認識と覚悟をもって、嫌え。
実は認めている、という覚悟で批判せよ
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