あなたを救う気はありません

 ……いきなり、衝撃的なタイトルで、すまないと思っている!



(by ジャック・バウアー)



 でも、これホント。この賢者テラは、あなたを救おうなどとはこれっぽっちも考えていません。

 この書は、読者を救い、悩みから助け出そうなんて目的で書いてません。



●ただ、好きなことを書いているだけです。

 


 読者様から、感謝されることがある。

 これこれの記事を読んで、勇気付けられました。

 あるいは、慰めを受けました。ありがとうございます——。



 私は、その言葉は感謝して、ありがたく受け取りたい。

 でも、それは『狙っていない中で結果として起きたこと』なのである。

 ここでひとつ、重要なことを言う。

 スピリチュアルな、あるいは宗教的な情報発信をしていたり、本まで出しているような人に問いたい。



●何のために、あなたは発信しているのか?

 


 ……ということである。

 色んな答えがあるだろう。

「悩んでいる人、苦しんでいる人の力になってあげたい」

「世界中の真理をまだ知らない人たちを救ってあげたい」

 こういう、「~してあげたい」 系の理由って、多いんじゃないかと思う。

 今日は、ちょっと耳に痛いことを言う。



●それって、上から目線だと思います。

 


 どういうことかというと。

 そこにはすでに「決め付けによる創造」が成されてしまっているのだ。

「救いたい!」というあなたが存在する、ということは、救われなければならない、あなたほどに真理を分かっていない、可哀相な人の存在を前提とすることになる。

 ここに、需要と供給のバランスが構築されてしまう。

 あなたは神として、あなたの「救いたい」という願いを満足させるための、問題を抱えた人を創造する。



 どうか、常識的な発想を壊してほしい。

 世界に困っている人、救われないといけない人がいるから、私が解決に乗り出すのだ、ではない。

 あなたが 「救おうとするから」、救われないといけないような人が生まれてくるのだ。だから筆者は、読者の皆様が本書を読んで元気付けられる必要のある人だと想定していない。

 読者の皆様は、『カミサマ』だと考えている。完璧な存在だと認識している。(もちろんこの世的な基準と意味合いではないが)

 誰も、救われる必要なんかない存在だと思っている。私のほうがモノをよく知っていて、皆さんに教えようなどと思っていない。

 もしそう思うなら、自分が上のレベルの人間で、下がいてフォローしてあげよう、というホンネがあることになる。

 実は筆者も、本書を読んで 「すごいこと教わりました!」 と感謝してくださる方も、人として何ら変わらない。



●同価値なのだ。

 


 同価値なんだけど、私はこうして文章を書いて、人に見ていただくのが好きなだけ。ただ、それだけ。

 それを読んで、結果として感謝されることがあるなら、それでよし。

 私はそれを、狙っていない。

 狙っていてそうなるのと、狙わないでそうなるのとには、天地ほどの違いがある。



 以前の記事でもちょっと触れたことがあるが。

 医者は、全部ではないが、大方患者を生み出す意識で仕事をしている。

 それで食ってるからだ。患者がいなくなれば大変だ。

 警察もしかり。本気で犯罪撲滅などしていない。なくなったら困るのは自分だ。

 宗教やスピリチュアルがメシの種になっている人へ。

 それで暮らしを立てている人へ。

 自分の仕事がいつかなくなってもいい覚悟でやってください。

 宗教家は、信者が増えて喜んではいけない。

 ヒーラーさんや占い師の方は、人生で迷える人や癒しの必要な方が続々来るのを喜んではいけない。

 いつの日か、すべての人が覚醒し、自身の価値を取り戻した時。

 人を癒す必要も、人生の方向性をリードしてあげる必要もなくなる日が来る。

 その日の到来を喜べるあなたですか?

 どうか、スピリチュアルを仕事にしながら、実は悩む人やタイヘンな人を生み出している、なんて滑稽な結果を招かないでください。

 もちろん、いつも私が言うようにそれは 「悪いこと」ではありません。

 価値としては何をしても同じですが、あなた自身に本当の喜びがありますか? ということです。



 私には人を救う気がない、という本当の意味がお分かりいただけましたか?

 皆さんすでにありのままで完全なのだ、ということを別の表現で言ったものです。

 もしこの書が、私のメッセージを通して世界を何とかしよう、と意図したものなら……恐らく私は、多くの人を「これを読んで救われないといけない人」に仕立ててしまう愚を犯すことになる。

 だから私は今回、宣言することにしたのだ。



●本書を読む方は、その存在自体が最高で、素晴らしい人。

 そして神様。

 私は師でも先生でも、あなたより物知りでもなければ、霊的に高くもない。

 あなたと私は、友だ。

 友とは、対等であることが前提である。

 だから、あなたのことをこう呼ばせてほしい。



 友、と。

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