第30話 その三十
ケープルズはにんまりと笑っていた。
食事をし終えた後、レンは突っ伏して寝ていた。
何かがおかしかった。
いつもはこんな早く寝ないのに。
意識がまどろんでくる。
ケープルズは笑顔でこう言った。
「お姫さん、それには毒を入れておきましたわ」
顔から血の氣が失せた。
意識は途絶えた。
補足文 物語と関係ないんで飛ばしてもかまいません。
中世のイギリスでは、おそらく世界で最も有名な毒にまつわる戯曲が登場する。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」(初演は16世紀末と言われる)だ。同作でジュリエットを仮死状態にさせた毒はチョウセンアサガオだった。こうしたヨーロッパの戯曲などには毒がしばしば登場し、毒殺が依然として横行していたことを物語る。
暗殺の語源となったハシシュ 大麻から得られる「ハシシュ」は、マリファナと同様に、吸引すると陶酔感を得られるが、攻撃性を誘発することもある。この陶酔感と攻撃性を暗殺に利用した「山の老人(おやじ)」という暗殺集団がイラクにあった。
老人が、若者をハシシュで眠らせて拉致し、宮殿で美酒と美女を振る舞った後、再びハシシュで眠らせ、もとの場所へ返す。そして老人は「再びあの天国へ行きたければ、こいつを殺せ」とけしかけ、若者を暗殺者として送り出す。このエピソードから、ハシシュは英語で暗殺を意味する「assasinアサシン」の語源になったという。ハシシュは大麻の樹脂を固めて乾燥させたもの。溶剤で溶かしてたばこに混ぜるなどして喫(きつ)する。マリファナよりも強力。
毒と薬(すべての毒は「薬」になる?!) 鈴木 勉 監修
新星出版社
ハシシュとチョウセンアサガオどちらを使おうか迷っていたがロミオとジュリエットがすきなので、チョウセンアサガオを使おうと思ったしだいである。読んでいる方にはどうでもいいと思うが。
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