第21話 その二十一

うかと思いを述べたら、大丈夫だ問題ない。あの者たちはそのところをわきまえているからと言うのである。

 本当に大丈夫なのであろうか。

 いぶかっていると、騎士団長はレンとニコラスの秘密を教えてくれた。

 驚きで言葉を失ったが、確かにそれなら大丈夫そうだと納得して、退室した。
















 窓から月の光が落ちている。

 ゆっくりと開いていく。

 騎士団長が物音一つ立てずに部屋に入った。

 姫へと近づく。

 上掛けをどかす。

 寝姿があらわになる。

 よく眠っている。

 寝息が聞こえてくる。

 姫の形の整った胸が上下している。

 騎士団長は生唾を飲み込む。

 姫の吐息はバラの香りがした。

 呼吸に合わせて、寝間着をたくし上げようと、布に手をかけようとした。

 その時、

「従者だめよ、寒いわ」

 と寝言を言って、ごろりと寝返りを打ちながら丸くなっていく。

 騎士団長は上掛けをそっと掛けてやって、入ってきた窓から出て行った。


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