第7話 その七
騎士団長は下段に、切っ先を後ろに構える。
相対して下段に、似たように異国の男は構えた。
にらみ合い、動く氣配がない。
空氣が張り詰める。
見ている姫も息をのんでいた。
互いに同時に動いた。
下段、足に向かって剣が衝突。
団長の突きが飛び、男はいなして斬りかかった。
と思いきや団長に剣を弾かれていた。
お互い下がってから、間髪入れずに、二合三合とかわす。
と、
「合格、ここでやめようか」
二人は構えを解いて、礼をかわす。
「じゃあそうだな、まず姫様に紹介しておこうか、これから仕える方だ」
「姫様、腕に関しては折り紙付きです」
「ええ」
黒髪の男を見つめたまま姫が近づく。
「あなた氣に入ったわ」
「ありがたき幸せでございます」
姫は言った。
汝、我が家臣となるを心から希望するや。
突然だったため男は一瞬、姫を凝視していた。
状況を飲み込むと、膝を折って片手を胸に当てた。
「我、かく望む」
「我、今よりのち忠実を尽くし、他の何人でもなく、ひたすら姫様のみに対する忠誠の誓いをするものなり」
「今日から私の従者とします」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます