第12話◆再会

 《本島》にある《結子(すくね)》から一番近い場所の《県立総合病院》に、

 〈ミサキ〉と祖母の〈フミ〉は連絡を受けたその日に駆け付けた。


 フロアの《ナースセンター》に聞けば『個室』だという、

 その《病室》にまで辿り着くと二人は揃って大きく深呼吸をして、

 慎重な面持ちで《ドア》を軽くノックする。


「はい」


 思っていた『主』とは違う、

聞いたコトの無い声に〈ミサキ〉と〈フミ〉は顔を見合わせると、

恐る恐る《ドア》を開けた。

 すると、

《刑事》らしき男性二人が立つ先のベッドには事情を尋ねられている、

 〈サトル〉が居た。


「・・・サトルさん・・・」


 〈ミサキ〉は感極まり涙ぐんだが〈サトル〉はバツの悪そうな《表情(かお)》をして目を反らす。


「・・・御宅サンら、この『木崎さん』と知り合い?」

 背の低い、恰幅(かっぷく)のいいスキンヘッドの男性が尋ねて来た。

「・・・『キザキ』?―・・・あっ❗️サトルさんのコトですか?」

「何や、名前も知らんかったんか⁉️」

 《男性》は〈ミサキ〉の涙ぐんだ姿を見て、

てっきり『恋人』かと思っていたのか呆れた声を上げる。

「・・・私ら《県警》のモンやけど、今朝がた―・・・この《市内》で『傷害事件』が起きましてな。この男性(ヒト)が、《被害(ガイ)者》を助けてくれたんやが・・・双方の『身元の確認』が取れんで、困っとるんですわ💧」


「・・・『双方』・・・?」


 〈ミサキ〉は首を傾げる。

「・・・ええ。《被害者》の男性は10~20代で今、意識不明の《重体》で集中治療室におりますが、

《身元》を確認出来るモンを所持して無いんで、『前科リスト』やら《県警》で当たっとる最中です」

 もう片方の体育会系の《刑事》が幾分か丁寧に教えてくれた。

「・・・こちらの木崎さんが《現場》を『偶然』通りがかり、身を挺して助けてくれたんで《被害者》は一命を取り留めたんですケド―・・・」

 困った風に〈サトル〉を一瞥する。

「今時の若者にしちゃあ、大したモンや‼️・・・やけど💧サトル(こっち)も《学生証》は持ってたケド、『連絡先』は《大学》経由。家に入れても誰も出んし、ホンマに本人なんかの『確認』のしようがあらへん‼️💧」

 背の低い《刑事》には〈サトル〉の心証はかなり悪いらしい。

「―・・・で。それでも何とか事情を聞き出すと、数日前に《結子(すくね)》に行ったと言う事やったんで、訪ねたっちゅう《北結子(きたすくね)》の『漁協組合』に問い合わせたら―・・・」

「御宅サンらぁにまで辿り着いたっちゅう訳や。・・・別に《前科(マエ)》がある訳や無いし、『家出人捜査願』も出とらんし💧何も《身元》を隠す必要は無いハズやねんケドなぁ~💧」

 互いの《刑事》は、

そう言いながら大きな溜め息を吐く。


「こうなって来ると《被害者》と前からの顔見知りで、何等かの『トラブル』に関係してるんや無いかと、私らも疑わんとアカンようになってしまうんでね・・・」

 体育会系の《刑事》は本当に困っているのだろう、

〈ミサキ〉達に向けて小さく肩を竦ませた。


「そんな仰々しい‼️・・・この人は悪い事出来るような《人間(ひと)》ちゃいますよ‼️・・・自分が《負傷(ケガ)》してまで人を助けた『善意の人間』でしょうが⁉️」

 堪えかねた〈フミ〉が口を挟んだ。

「・・・それを全く知らん土地で、まるで《犯人》みたいに扱われたら私(うち)かて何にも喋らへんと思いますわ」

 その言葉に《刑事》達は閉口する。


「・・・まぁ💧《サトル(本人)》曰く、《被害(ガイ)者》とは面識無いらしいし、肝心な『犯人』の顔も助けるんが必死でよぅ見てない―・・・ちゅうコトやけど、

万が一。《被害(ガイ)者》が死んだら『傷害』から『殺人事件』になるんや。どんな些細な事でも思い出したら、直ぐ様ココへ連絡するように‼️・・・ええか⁉️」

 背の低い《刑事》がそう言うと、

〈フミ〉に《名刺》を渡し不満そうに病室を出て行った。


「・・・『刑事や』言わんかったら《ヤクザ》やなぁ、アレは💧」


 〈フミ〉は手にした《名刺》を見ながら、正直にモノを言う。

「・・・ご迷惑をお掛けして・・・本当にスミマセン―・・・」

 〈サトル〉のあまりに深刻で思い詰めた表情に、

声を掛けるのも気が引けてしまうが〈フミ〉には『通用』しないのか、

「・・・ホンマや。急に居らんようになって、挙げ句がコレや❗️」

 お構い無しのキツい言葉を平気で口にし、

〈ミサキ〉を慌てさせる。

 ・・・しかし、続けて《ベッド》の側まで近寄ると、

「―・・・傷は大したコトないんか?」

 と〈サトル〉を労(いたわ)った。


 誰も知らない『他所の土地』で大したコトは無かったにせよ、

 『入院』する程の怪我した挙げ句に、《刑事》にアレコレ問い詰められて・・・どれだけ心細い思いをしただろうか―・・・。


「・・・大丈夫です・・・」


 〈サトル〉は、

 この知らない土地で唯一知り合った〈フミ〉達の『気遣い』に心底安堵し、それ以上の言葉にする事が出来なかった・・・。

 〈フミ〉もあえて何も問い詰める事もしないまま、

〈ミサキ〉を残して『所用』で《病室》を出た。


「・・・木崎サトルさん、なんですね?(笑)―・・・そう言ぅたらサトルさん、《名前》言うの濁してたん忘れてました」

 〈ミサキ〉は《ベッド》の横にある椅子に腰を掛けながら言う。

 〈サトル〉は目を伏せたまま、

「・・・僕はともかく《父》に『迷惑』の掛かるコトが何より怖かったんです―・・・」

 そう呟いた。

「そんなに、サトルさんの《お父さん》て厳しいヒトなんですか⁉️」

 まるで『意外だ』とでも言いたげな〈ミサキ〉の言葉に、

 初めて〈サトル〉は小さく苦笑し

「・・・いえ、全く。僕には充分過ぎる父です」

 と、〈ミサキ〉に目を向けた。

「今も《海外》を拠点に仕事をしている父(ひと)なんですが、もし・・・僕がこんな事になっていると知れば、抱えている仕事を放棄して《日本》に飛んで帰って来るのが目に見えてますから・・・💧それだけは―・・・」

「・・・《お父さん》のコト、大好きなんですね」

 〈サトル〉がこんな風に《家族》を語るのが不思議な位、

『生活感』すら感じさせなかったのは色々と事情があったのだと納得するも、言葉の割にその大好きな《父親》との『距離感』が微妙にあるような気がした。

 が、〈ミサキ〉はそれ以上は訊かず話題を変える。


「・・・もう―・・・あのまま会えないんや無いか・・・って、ホンマに心配しました💧」

「・・・ゴメンね・・・」

 〈サトル〉はまた目を伏せた。

「バァちゃんが、サトルさんは《結子(すくね)》に何かを探しに来たん違うか―・・・って、言ぅてましたケド・・・それ、当たってるんですか?」

 〈ミサキ〉の問いに、

口を固く結び暫く考えていたが・・・

 思わずフッと微笑(えみ)を溢すと、

「・・・そう・・・フミさんが・・・」

 そう言って〈ミサキ〉を見る。

「―・・・僕の言うコト、嗤わないで聞いて貰える?」

 眉尻を下げ少し恥ずかし気な〈サトル〉に、

〈ミサキ〉は真顔で頷いた・・・。




「・・・実は―・・・僕は『小さい頃』・・・って言うか、『産まれた時』から《海女伝説》を知っていたんだ」


「・・・エッ⁉️」


 〈サトル〉の言葉に驚く。

「ただ、知ってはいたけれど・・・《海女伝説(それ)》が何時の、何処に由来している《噺(はなし)》なのかまでは判らなくて―・・・」

「・・・それで《海女》の盛んなトコずっと探して《結子(すくね)》まで―・・・」

 そう言われて、

初めて全てが『しっくり(笑)』したように納得した〈ミサキ〉は、

 以前〈サトル〉が《海女伝説》を『祟り』みたいに扱われている現状を、自分の事のように悲しんでいたのが『印象的』だったのを思い出した。

「・・・サトルさんが知ってる《海女伝説》って、どんなんですか?私にも教えてくれませんか?」

 〈ミサキ〉の真摯な眼差しに、

〈サトル〉も応える。

「―・・・《結子(すくね)》の《海女》には特殊な『能力(ちから)』があったコトは・・・」

「バァちゃんから教えて貰いました」

「そう。それは本当みたいで・・・今でいう《精神カウンセラー》的な事も生業(なりわい)として兼ねていたらしいんだ。相談に乗った、その人の心の中に潜って『不安要素』を取り除いてあげたり・・・とか、ね」


「・・・昔の《結子(すくね)》の《海女》は、ホンマに凄かったんですねぇ💦」

 〈ミサキ〉は素直に感心するも、

 逆にそれが何故、

今では『悲劇』や『祟り』になっているのかが結び付かない。

 〈サトル〉はその様子を窺いながら話を続けた。

「・・・その《海女》の中でも、最も優れた『能力(ちから)』を持っていたのが《姫》で―・・・彼女が唯一、人の意識の深層下・・・『無意識』の奥にまで潜る事が出来たんだ」


「それって、そんなに凄い事なんですか?」

 〈ミサキ〉には『未知の世界』で『心理学』にも知識がないから、

いまいちピンと来ない。

 〈サトル〉もそれを承知していて判りやすいように説明する。


「《人間(ひと)》は・・・自分で認識出来る『意識』がメインで生活しているケド、《嫌な記憶》とか《都合の悪い記憶》は抑圧して、奥へ押し込めて忘れようとするんだ。

ところが、押し込められてしまった《記憶》も『自分の意識』だから、何とかして認めて貰いたくて主張する。・・・それが『無意識的願望』と言って、自分の気付かない内に言動に現れたりしてしまうモンなんだ」


 と、ここまでは判る?と確認して更に続けた。

「・・・だから、その《原因(もと)》を取り除いてやれば『癒し』になる。けれど、逆に利用してしまえば・・・本人の『自覚』も無いまま―・・・『意のままに操る』事になってしまう・・・」

「《姫》さんは、ソコまでの事が出来たんですか⁉️」

 驚嘆する〈ミサキ〉に誤解のないように、

「勿論💦《姫》は、そんなコトは絶対にしなかっただろうし、する気も無かったと思う。

・・・だけど、周囲には『脅威』に思われていたかも知れないよね・・・?」


 〈サトル〉には、

そんな《姫》が『孤立』して・・・いつも淋しい思いをしていたのでは無いかと、

 幼いながらに感じていたと言う。


「・・・じゃあ―・・・《島長(しまおさ)》が《姫》さんを殺した理由は―・・・」


「・・・恐ろしかったんだろうと思う。

自分の妻である《姫》が、気付かない間に心を操っているんじゃないか―・・・と『疑心暗鬼』になって・・・」

「そんなっ⁉️」

 〈サトル〉はつい感情的になり言葉を詰まらせてしまったが、

〈ミサキ〉も聞かされた『真実』に言葉を失くしてしまう。

 愛する夫に殺されてしまった《姫》の心情は如何ばかりか―・・・


 その時、


『あぁ・・・』

『・・・でも、どうして・・・?』


 〈ミサキ〉は、

あの夢の〈私〉の気持ちが瞬時にして思い浮かび、

 『同調(シンクロ)』するように

胸が苦しく、息をするのも辛くなり

呼吸を乱し始めた・・・。


「ミサキちゃん⁉️」


 突然のその変調に〈サトル〉は驚き、自分の傷の事も忘れ《ベッド》から跳ね起きると、

 〈ミサキ〉の肩を抱いた。

「・・・はぁ・・・はぁ・・・っ❗️」

 のし掛かるような『苦しさ』と『哀しさ』で、

みるみる涙が溢れて来る。

 しゃくり上げるように苦し気な息遣いながらも、

 それでも訴えたい〈ミサキ〉は必死で〈サトル〉に伝えようとする。


「・・・《姫》さんは―・・・っ《島長(しまおさ)》が『疑心暗鬼』で、追い詰められてんのっ・・・気付いて・・・無くて―・・・。

だからっ・・・殺された時も―・・・何でなんか、判らんくて―・・・

苦しく・・・て、哀し・・・くてっ」


「判ったから‼️・・・喋らないでっ‼️」


 〈サトル〉は止めるが、

〈ミサキ〉は尚も聞かずに続けた。


「・・・でも―・・・っ『死ぬ間際』に・・・気付い・・・たんです―・・・っ」


 あの《夢》の『最期』の・・・


『・・・どうして―・・・』


 アレは、

《姫(じぶん)》がそんな『能力(ちから)』を持っていながら、

《島長(しまおさ)》の追い詰められた苦しさに、

 結局―・・・気付いてやれなかった『悔い』そのものだったんだと、

〈ミサキ〉は今・・・初めて判った。

「・・・そんな『能力(ちから)』、別に要らんかったんです―・・・」

 大きな瞳を見開いて〈サトル〉に

消え入りそうに訴える。


「・・・私(われ)は・・・大好きな《島長(わがせ)》と、一緒に―・・・。ただ、『一緒』に・・・」


 そう言うと〈ミサキ〉は、

スウッ・・・と全身の力が抜けて気を失った。

「ミサキちゃんっ‼️💦」

 〈サトル〉は急いで《ナースコール》を連打する。


 駆け付けた《医師》と《看護師》・・・それに〈フミ〉さえも、

二人の様子に事態が把握出来ずに困惑する中、

 〈サトル〉に言われるがまま別室へ〈ミサキ〉を運び処置を施す。


「木崎さんも安静にして下さい‼️」


 《看護師》に叱咤たれ、

初めて自分の刺された傷口が開いてしまい・・・衣服が血に染まっている事に気が付いた。

 しかし―・・・

〈サトル〉は自分の傷の痛みより、

〈ミサキ〉の方が心配だった。


『・・・ミサキちゃんの最後の言葉・・・アレは―・・・』


 〈ミサキ〉自身の『言葉』では無いだろう。


『《あの娘(コ)》は、自分が《姫》の生まれ変わりって・・・知ってたのか―・・・?』


 ―・・・いや、初めて会った時にはそんな『気配』を感じなかった。

 きっと、

《事態》が深刻化したのをキッカケに目覚めてしまったのかも知れない―・・・。


『・・・結局、《悲劇》は繰り返されてるじゃないか―・・・。僕は何の為に―・・・』


 〈サトル〉は痛恨に・・・打ちのめされ、己れの無力さを罵った。

 仕方がない―・・・そう思えば気が楽になるかも知れないが、

 でも。

 それでは『意味』が無いのだ。


「・・・皆・・・こんな思いをする為に、生まれ変わって来た訳じゃないのに―・・・」


 〈サトル〉は何より、

《殺人鬼》と化した〈小菅〉に心を痛めた・・・。




 この一連の『殺人事件』が《島長(しまおさ)》の『生まれ変わり』の人間の仕業だと・・・

 〈サトル〉は直ぐに気付いたが、

かと言って『手掛かり』になるモノは自身の『直感』しかなく、

 内心焦っていた。

『こうなる前に《結子(すくね)》に来ていれば―・・・』

 そんな《たら・れば》の無駄な『後悔』もしながら・・・。


 あの時、

〈ミサキ〉の好きな《男性(ひと)》が〈小菅〉だと気付かなければ、

〈サトル〉は《島長(しまおさ)》の生まれ変わった人間とは、

 出会えなかったかも知れない。

 〈ミサキ〉の中に眠る《姫》の『想い』が二人を引き寄せたんだと思うと、勝手に感極まった程だ。


 その〈小菅〉に、

これ以上の《罪》を犯させないよう接触を試みると、

 自身が《島長(しまおさ)》の『生まれ変わり』であると既に自覚している事や―・・・、

 今回の事件に関して、

誰かしらからの『脅迫』を受けている事を知る。


 この時点で、

よもや〈小菅〉があんな『凶行』に及ぶとは思ってもいなかったが、

 自分と別れた後を追い〈小菅〉の『動向』を見守るつもりでいた。

 ・・・しかし、

〈サトル〉と同様に後を付けて来たであろう《青年》がいるコトにも気付く。 


『・・・まさか―・・・』

 〈サトル〉の嫌な予感は的中し、

その《青年》が〈小菅〉を『脅迫』していた人物であり、

 殺された〈瀧井静香〉の《彼氏》である事も判明する。

 彼は〈静香〉が殺される最期に、〈小菅〉と会っていた所を目撃していて・・・それをネタに強請(ゆす)ろうとしていたのだ。


 その彼の呼び出しに応じ、

人気(ひとけ)のない場所にやって来た二人はやがて揉み合いになり―・・・。

 《彼氏》が先に、

持参した《ナイフ》を嚇かすつもりで手にして見せたが、

 逆に〈小菅〉はそれを奪い取るが早いか、

 彼の《左脇腹》をひと突き・・・続けてもうひと突き。

 渾身の力を込めて刺し続ける様は《殺人鬼》そのものでしかない。


 更に、息の根を止めるべく『とどめ』を刺そうとした時に、

 我慢出来ず見ていられなかった〈サトル〉が飛び出し、

《彼氏》を庇ってその傷を負ってしまったのだ―・・・。


「・・・お前は・・・」


 戦(おのの)く〈小菅〉に、

刺された《脇腹》を押さえつつもゆらりと立ち上がると・・・

〈サトル〉は真っ直ぐに見つめ、

「・・・貴方は、自分の弱さに溺れてしまっているっ・・・‼️」

 怒りと哀しみで、その声は震えていた。

「こんな―・・・っ。これじゃあ貴方は、ただの《殺人鬼》じゃないですか‼️・・・いいんですかっ⁉️」


 〈サトル〉は涙を流し、

本気で己れの感情を〈小菅〉にぶつけた。

「・・・どうして・・・」

 『赤の他人』でしかない自分をそこまで心配する〈サトル〉の姿に、

〈小菅〉の中にある《闇》さえも怯えているのが判る。

 放心したまま手にしていた《ナイフ》をポトリと落とすと、

我に返った〈小菅〉は慌ててその場から走り去った―・・・。


「大丈夫ですか⁉️」


 騒ぎを聞き付けた近隣の住民が、蹲(うずくま)る〈サトル〉を心配げに声を掛けてくれていたが、

 もう声を出す気力も残っていなかった―・・・。

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