第97話 というか装備も生まれる時代を間違ってる件
「ふんっ!」
「ゴゴォオ!?」
今更だが、レストの装備について説明しよう。
現在のレストがメインで使っている装備は、装備無しで過ごしたあの日の翌日から作り出した装備だ。
その過程でセット装備化の法則、高品質の素材から作った際の差、装備箇所の変更ができるか実験を行った。
まず最初に、作ったのは新しい“放浪の旅人セット”だ。
放浪の旅人セットは基礎レシピとして記載されている旅人シリーズを、【錬金】で合成してセット装備化させるという方法で作られる。
だが、合成しても何らかの要因で失敗し、糸屑や布切れなどのゴミへ変わる。
つまり、傑作がゴミへ変わることは普通に起こり得る。
そんな発狂が当たり前の地獄でもの作りを行った。
名称:放浪の旅人セット二代目
種類:セット装備 品質:10
耐久値:893/921 重量:5
効果:防御力+64、耐久減少軽減小、被ダメージ軽減小、体力減少軽減小、空腹減少軽減小、移動速度上昇小、全能力+3、容量+15、耐寒微、耐熱微、体力回復速度上昇微、重量軽減微、防水。
セット効果:全能力+5、状態異常耐性上昇微、幸運微。
参考:レスト作。頭、体、足、靴、装飾のセット装備。上物。
創造者効果:防御力+128、耐久減少軽減中、被ダメージ軽減中、体力減少軽減中、空腹減少軽減中、移動速度上昇中、全能力+6、容量+30、耐寒小、耐熱小、体力回復速度上昇小、重量軽減小、防水。
創造者セット効果:全能力+10、状態異常耐性上昇小、幸運小。創造者権限。
新しい“放浪の旅人セット二代目”は品質が7から10となり、耐久値も845から921と上がり、上物の装備に変わった。
強化された効果は防御力が+57から+64、被ダメージ軽減が微から小、空腹減少軽減が微から小、全能力が1から3に上昇した。
増えた効果は体力回復速度上昇微と重量軽減微、セット効果に【神匠】の効果がないと付かなかった幸運微だ。
今回の装備は前の装備より防御性能が上がったのは、言うまでもない。
そして実験結果は、【錬金】でセット装備化する時に必要なのは、全てが同品質であることが絶対条件と分かった。
例えば、品質5の装備と品質6の装備ではセット装備化が出来ず、両方とも品質5の装備だったらセット装備化出来る。
他にも法則がありそうだが、今回は装備が完成したので、セット装備化の実験を終えた。
「偶然にも、予備が出来てしまった」
ちなみに、【錬金の秘法】でこの装備は二つある。
この次に、作ったのは“レザーグローブ”だ。
前作は一つだけ品質3の“鹿の毛皮”を混ぜて作った装備だったので、今回は品質1から品質4の“鹿の毛皮”で作り、品質の違いの差を調べ、この中で良い装備を使おうと思ったのだが。
途中で思いつき、“マッドネスベアの毛皮”から作ってみたら、強力なレザーグローブが生まれた。
名称:暴熊のレザーグローブ
種類:装備 品質:8
耐久値:286/312 重量:2
効果:攻撃力+18、防御力+21、器用+3、筋力+3、与ダメージ上昇小、投擲速度強化小、投擲距離強化小、斬撃耐性上昇小、打撃耐性上昇微。
装備条件:プレイヤーレベル30以上。
参考:レスト作。
創造者効果:攻撃力+36、防御力+42、器用+6、筋力+6、与ダメージ上昇中、投擲速度強化中、投擲距離強化中、斬撃耐性上昇中、打撃耐性上昇小。創造者権限。
前と比べるのはおかしいのだが、品質が6から8、耐久値が247から312まっ上がり、重量が1から2に増えた。
強化された効果は攻撃力が+15から+18、防御力が+7が+21、器用が+2から+3、与ダメージ上昇が微から小に上昇した。
増えた効果は筋力+3、投擲速度強化小、投擲距離強化小、斬撃耐性上昇小、打撃耐性上昇微だ。
この装備は効果を見て分かる通り、攻撃よりも防御の方を重視した構成となっていて、この生まれた背景には今度のイベントが関わっている。
この実験で分かったことは、高品質の素材を使えば使うほど、効果の付与率や品質が良いものを作れると分かった。
つまり、作る腕がそれほど無くても高品質な素材で作れば補えるということだ。
だが、捉え方を変えると、作る腕さえあれば低品質の素材からでも良いアイテムが作れるということになる。
この結果を知ったレストは、
「一時は理由でもない限り、品質1の素材で作った方がいいな…」
と決めた。
その次に、レストの本命である防具ではない、装飾としての“ゴーグル”を作れるか挑戦した。
これが装備箇所の変更する実験である。
その試みが始まった理由だが、動かせるゴーグルを作れないか思考していた時の、
「ネックレスみたいなゴーグルなら装飾扱いにならないかな」
から始まったものだ。
一発で本当に出来てしまい、念のために何度か別の物も混ぜながら作った試作品の一つが、現在のレストが使っている装飾のゴーグルである。
名称:ゴーグル
種類:装備 品質:10
耐久値:243/261 重量:2
効果:盲目耐性上昇小、眩暈耐性上昇小、難聴耐性上昇小、硬直耐性上昇小。
参考:レスト作。上物。
創造者効果:盲目耐性上昇中、眩暈耐性上昇中、難聴耐性上昇中、硬直耐性上昇中。創造者権限。
前二つの経験から作り出された品質10の上物のゴーグルは、金具と革に空いた穴でサイズを調節して、前のように帽子へ付けることも可能性という優れものだ。
効果は目に関する状態異常耐性が2つ、【音源察知】と【音響察知】が封じられる難聴の耐性、暴獣の時にあったら良かった硬直の耐性が付与された。
器用値を上げ過ぎた弊害で、視覚や聴覚から受ける状態異常になりやすくなっていたから、ある意味救世主とも言える装備だ。
ちなみにだが、視覚強化が付いたゴーグルも存在する。
この実験を通して分かったことは、攻撃力や防御力がなくなるが、武器や防具を装飾することが可能ということだ。
また、その逆に装飾扱いだったものを、武器や防具に変えられることも分かった。
例えば、レストが作った一切の攻撃力の無い儀式用の短剣や、攻撃力のある魔法用の指輪だ。
使い道は、頭の装備の帽子を被っていても装飾のリボンで髪を結ぶことが可能、ということを意味している。
これは運営が意図的に作った裏技の一つだ。
しかし欠点として、武器である剣を装飾の剣、と考えながら作らないといけない点がある。
これはレストの知らないことだが、効果が付与される際の原理と似ている。
作ったアイテムは基礎効果(例:武器なら攻撃力、防具なら防御力、装飾なら無し)と、使った素材や形状から決まった追加効果が付与される。
その際に、追加効果は製作者の思考から読み解いた可能な場合に望んだ効果を付与する、という凄いテクノロジーが使われている。
この技術はもちろん他の場所にも使われ、魔法陣の構築や操作系スキル【天魔波旬】などで利用されている。
つまり、装備箇所の変更はこの技術を応用したものなのだ。
装備を作る際に武器か防具か装飾か、それを無意識的な思考から読み解き、基礎効果や装備箇所などが決められるのを、意識的に誘導するというのが装備箇所の変更である。
なので、集中している時には難しい作業となる。
レストはそれを若さ故の柔軟な思考と思いつきでやる実行力で見つけた。
別の言い方をすると天然を炸裂させて発見したともいうが。
「これでゴーグルが動かせる」
この時のレストは、これがどんな技術か知るよしもない。
オマケで、残りの装飾の枠には従魔の卵が生まれた時に備えて、仲良くなれるように古き緣の指輪を選んで強化した。
名称:古き緣の指輪(+2)
種類:装備 品質:6
耐久値:555/600 重量:1
効果:精霊界への通行が許可される。テイム・コネクトの成功率上昇補正。特殊NPC・従魔・使い魔の好感度上昇補正。不壊。MP+1、消費MP軽減微。譲渡不可。
参考:支給品。廃棄することは可能。
特別な装備だったので、1回の装備強化で強化石5個を消費した。
前のものより品質が1、耐久値が100上がり、効果にMP+1と消費MP軽減微が付与された。
この一連の内容で何が言いたいのかと申しますと、
「おりゃあぁぁぁあ!!」
「ゴゴォォォォォオ!!」
両手にピッケル(【神匠】込みで攻撃力+10)を装備し、単身で廃坑の悪夢と戦っている人物がいます。
というか、レストです。
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今回の話に最後のぐたりを入れたかっただけで、説明回になる予定ではなかったのですが、なりましたね。
書いてておかしくなった場所があっら、申し訳ない。
これからも楽しんでいってください。
前回の補足です。
誰にぶっぱなしたでしょうw
『使った素材から決まった追加効果が付与される』
から
『使った素材や形状から決まった追加効果が付与される』
に変更する。
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