第11話 作業用としての音楽

 前回の「EDM」の中の「IDM」(インテリジェントデスクトップミュージック)に進むようになります。


 IDMはその言葉から「知的な」という意味あいがありますが、それが上から目線的な含みをもって聞こえるため、他の音楽に対して失礼!という意見も出る呼び名で賛否あるようです。私から見ればどっちもエレクトロニカ音楽なんですけど。

 実験的な音楽の傾向が強い印象です。これを聴くぞ、というよりBGM的にかかっているような音楽。ゆるゆると体を動かしたりのんびりまったり聴くのも良し。

 これが映像も一緒になるとホントに実験的で、これまた好き嫌いがはっきりと分かれます。雑音ともとられかねない。


 このジャンルへの入りは「μ-ziq」(ミュージックと読みます)というイギリスのミュージシャン。調べたら先のEDMだのIDMだのアンビエントだの音楽の系統を説明されていて、もうちんぷん。

 ジャンルを追うこと分けることが無意味にも思えてきたので、もう以降は歌がなくて打ち込みデジタル音の音楽を「エレクトロニカ」と勝手に呼ぶことにしました。

  

 一番最初に聴いたμ-ziqの曲は「Salsa With Mesquite」というちょっと不気味な感じで変わった曲。きっと聴けば貴方もイヤァァァァァーー

 これも音楽なんだなあと不思議に思いながらその周辺を辿ります。


 Aphex twin、Squarepusher、その辺をたどっていくうちに「65daysofstatic」というイギリスのグループを知ります。イギリスは多いんだなあこういうの。

 この方たちの割と初期の方が私は好み。打ち込みも使いつつ「なんかヤなことあった?」と問いたくなるようなリズムで叩きまくるドラムとギターがいいんだなあ。全体的に暗い陰鬱な感じもするのですが、こういう衝動的に発散するような曲調が暗いだけでは終わらせない魅力を感じました。

 

 そんなおり松本零士さんとダフトパンクのコラボレーションアニメ「インターステラ5555」(2003年日仏合作だったんだ)をたまたまCSのテレビでみて、一気にダフトパンクも好きになりました。

 このアニメーション、ダフトパンクの楽曲がバックに流れているだけでセリフは一切なし。そういう意味ではサイレント映画なのかもしれません。でもすごい面白いアニメ。PVのようにも感じた映画でした。

 彼らは日本でも人気で音楽フェスにもいらしたら大盛況です。一曲くらい皆さん耳にしたことが絶対あると思います。


 これらをイヤホンで聞きながら、仕事したりパズルしたり好きなことするのが楽しくなってきました。ユーロビートは「まにあわないいぃぃうわあああ!」と追い立てられるように作業に乗る感がありそれはそれでいいんですけど、こちらのジャンルは歌詞も少ないしあっても歌はメインじゃない、曲の抑揚も割と少ない、メロディが単純(じゃないのもあるけど)、せっつかれる感は少ないなど、本当に作業用BGMとしては優秀でした。



 ある日母親が、古い曲を聴きたいのにもうラジカセがないからどうしたらいい?と聞いてきたので、中古で安いソニーの音楽プレイヤーを買い、欲しい曲をリクエストしてもらいレンタルして差し上げてみました。

 私がどんなのを普段聞いているか知らない母は

「貴方が聴いてるなんか最近の曲でよさそうの入れてよ」

と言ってきましたが、とてもじゃないけど母に聴かせられるような曲は一個もありません。

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