第7話 独自性を貫く音楽

 まだドリカンを聴いていた時代、深夜アニメで「ベルセルク」をやってたのですよ。

 深夜にアニメということ自体に当時はびっくりしました。しかしそのクオリティと、ああ確かにこれは深夜向けだなという内容。

 今じゃ不思議でも何でもないですね。


 その音楽を担当されていたのが平沢進さん。ファンは「師匠」と呼ぶ。

 これまたダークファンタジー世界に隙間なく合う曲を作っていたので気になりました。

 そして1枚のアルバム「オーロラ」に出会います。今なら「過去の私のバカバカ大馬鹿!」と頭を叩きたい程ですが、当時の私にはどうも理解が追い付かず、数年後に売ってしまった……



 時は経ち2006年頃。今敏監督のアニメ映画「パプリカ」のCMをテレビで見てピンときました。あれ、この曲調もしかして……

 そう、平沢進さんでした。ちょろっと聴いただけでこの人と解るとは。


 

 平沢さんの創りだす曲調は異国感・近未来感であふれ返り、なぜか「バカコーラス」と呼ばれている多層で重厚なコーラスが特徴的、歌詞がなんだか哲学的、何語か分からない言葉がたまに出てきたり、綺麗な音楽に乗る平沢さんのファルセットもファンにはたまらないようです。

 歌詞は理解するのは難しいけれど、不思議なありがたみが湧く曲が多くてもはや宗教……。

 こんな雰囲気を出す曲を作る日本人は、私の知見が狭いからかもしれませんが平沢さん以外知らないです。それくらい独自性が高い。

 あと、この頃以前に増して電子音楽好きの土台ができていた自分にはその音自体も引き込まれました。いやむしろ感電した。



 今年のフジロックに出てたと聞いて、しかもネット放送されていたと後から知り、悔しさ滲んだ私です。(「夢見る機械」だけは後日配信で見ることが出来ました)

 本物のファンは「馬の骨」と呼ばれます。私はそこまでにはなってないです。恐れ多い。

 正直言って好き嫌いはっきり分かれるアーティストさんだと思います。万一はまったら最後あなたも馬の骨! 



 パプリカのおかげでしばらく忘れていた師匠の存在を思い出しました。

 CDを手放してはや数年、たまたま某動画サイトで布教動画を見つけ聴き始めたらなんということでしょう、視聴者のコメントもあって遅まきながらすばらしさに気づいた(洗脳された??)ので、平沢さんの所属していたバンドP-MODELのアルバムを中古ショップで見つけたとき「これはきっと運命」と買って聴いていました。

 そして技術の進歩はありがたいですね。手放したアルバムに含まれていた楽曲は、無事ア●ゾンのお陰で取り戻すことが出来ました。

 一曲ずつ買えるのも良いですが、アルバムまるっと買って掘り出し物を見つけるのも楽しみといえるかな。届くのを待たずにダウンロードしたらすぐ聴けるのも嬉しいし。

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