第5話 マイナー音楽
妹尾河童さんの「少年H」という小説をご存知でしょうか。戦時下の子供時代を描いた小説です。
ある夏の事。何かで「青春アドベンチャー」というNHK FMのラジオ番組を知ることになります。
この番組は15分程度で、速い話が音声ドラマです。そこでこの小説をやるということで知ったんだっけかな。そのときタイムリーにこの上巻を読んでたんです!!
平日の夜の10時45分から11時までの放送で、本を片手に聴いているとセリフなんかそのまんまラジオから聞こえてくるんですよ。主人公の肇の声や妹の声もちゃんとそのあたりの年齢の子がやってるみたいですんなり入ってきます。当時ご存命だった名古屋章さんの語りが心地いい。
ラジオ用に編成されて本どおり、という訳にいかないところはあれど、後で読んでも出演者の声で脳内再生されて楽しかったぁ。
そして新聞のラジオ番をみてそれの前の前にある番組をやっているのを知ります。
「ミュージックスクエア」というタイトルで当時はあまり気にしておらず、その青春アドベンチャーだけを聴くためにラジオをつけていました。これらの番組の間に5分くらいだったかの「名曲スケッチ」というクラシック音楽番組が挟まっており、ドラマ聴くために早くラジオかけてもこの番組だったので気づかなかったんです。
少ししたある日、気が向いたので「ミュージックスクエア」をかけてみました。金曜日で週のカウントダウンをやっていました。
しかしそのカウントダウンは番組オリジナルのもので、当時テレビの音楽番組からも離れていたこともあり、失礼ながら正直
・聴いたことがないアーティスト名
・聴いたことがない曲
が半分でした。でもそれらを聴いたとき頭はたかれたみたいなショックが!!
その中の1曲がトライセラトップスさんの「彼女のシニヨン」。
訳も解らず「これだーーーこういうのが欲しかった!!!」みたいなのが降りてきました。
これがきっかけで次第にこの番組にシフトするようになりました。月~木は別のDJの方がリクエストに応えたり、ゲストを呼んでお話したりして、金曜にカウントダウンをやるという編成になっていました。
最初は受験を控えていたこともあり、ほぼ塾通いでしたので金曜日だけ聞いていて、時間が出来たら次第に平日にもシフト。そして「ドリカン」の方は自然に離れて行った結果になりました。
しかし困った事が。前回レンタルショップのカードを作った、と書きましたが、そのショップに私の望む人のCDがないという事態が多くなってきたのです。小さい店でしたがアニソンは結構充実してたのに。
そこで当時の数年前に近所にいらしたツタヤさまに向かうことに。1店舗目より距離も近いし店舗面積も大きい、期待が持てる! と言う事で2枚目のレンタルカードを作ることにしました。
……が、1店舗目よりは多種なものの、やはりあまりにマイナーな人やインディーズ系統は難しく、例のごとくこの番組も録音は必須になりました。
今でこそネットでぽちですが、当時はまだウィンドウズ98が出るかでないかのころ。そもそもパソコンが家にないし、アマゾンで買い物とか、音楽ダウンロードするなんて未来の話! CDのために都会に出るのもなんだかな~。
うだうだ言ってますが、有名になったら後から入荷していたりジャンル別特集のコーナーにひっそり入っていたりしていたので、結構な頻度でレンタルは利用させて貰うことになります。
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