イタリア(ナポリ)式トランプの遊び方

 ワークスペースにある「小説情報」によると、このエッセイの公開日は2019年12月2日だそうです。てことは連載開始して1年たちました。早いですね。


 去年の今ごろ、ちょうどクリスマス時期だったのはなんとなく覚えてたんですよ。そろそろ1年だし、それに合わせたネタでも……と先週あたりに思い立ち、ふと公開日を見たらだいぶ前に過ぎていたという。あれー。


 去年の今ごろ何してましたか?


 クリスマスが終わって大晦日までの数日間ってイベントがないし手持ち無沙汰になります。クリスマスにドカ食いするので、のんびり過ごして胃を休めるくらいがちょうどいいみたいですね。ちょっと遠くまで散歩したり、家で映画を見たり。年明けにセールが始まるから欲しいものの目星をつけたり。いざ始まるとだいたいサイズがないんですが。赤いパンツを買うのも忘れてはいけません。


 あとはトランプ。人じゃなくてカードゲームの。


 イタリアの南の方ではトランプといえば「ナポリ式トランプ」です。ナポリ発祥なのでそう呼ぶのだとか。普通のトランプはフランス式と呼ばれているらしいです。


 普通の52枚のトランプと異なり、1から10の合計40枚しかありません。ハートやスペードではなくcoppaコッパ(カップ)、bastoneバストーネ(棒)、spadaスパーダ(剣)、denaroデナーロ(金貨)の4つのマークに分かれています。タロットカードと同じです。

 遊ぶにはちょっと慣れが必要で、困ったことに数字が書いてないんですよ。棒の7ならカラフルな棒が7本あるだけ。私の認識能力だとパッと見て判別できるのは4までなので5以上のときは数えます。ジャックは8、クイーンは9、キングは10。

 これで大抵はscopaスコーパというゲームをします。手持ち3枚、場に4枚並べ、カードを取っていって最終的に獲得点数が多い人が勝ち。場札の合計と自分が出す札の数字が同じなら「スコーパ!」と言って全部とれます。

 スコーパは「ほうき」の意味です。カードを全部とる動作が箒で掃くのと似てるからでしょうか。


 びっくりしたのがシャッフルの仕方ですよ。説明しにくいんですが、カードを半量ずつ両手に持って、縦に重ねてギュギュッと押し込んで1つにそろえます。我々がよく知ってるのはちょっとずつシャカシャカする方式ですよね。


 自分に親がまわってきたとき、


「日本ではこうやるんだぜ~」


 と華麗にシャカシャカやったら、ちゃんと混ざってなくて微妙な空気が流れたという。そりゃね、イタリア式に交互にねじ込むほうが確実に混ざりますよ。でもカード痛むよね。だから端っこボロボロなんでしょ。


 シャッフルしたら隣の人が2つにカットします。ちなみに日本で知られているあの混ぜ方は「ヒンドゥーシャッフル」というらしいですよ。世の中には私の知らないことがいっぱい。


 スコーパ、盛りあがるけどそれしかやらないから飽きちゃう。なので出番のなかったフランス式トランプを借りて日本のトランプの遊び方を伝授しました。それが去年の今頃の話です。何のゲームかというと、続きは年明けに。


 年内の更新はこのエッセイが最後です。それでは皆様、よい年をお迎え下さい。

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