全土に移動制限

 昨日、イタリアでは全土に移動制限がかかりました。そのため4月3日までの期限付きで次の措置がとられます。


・必要不可欠な理由がなければ他の街に行けない

・健康に関わる理由なら移動できる

・仕事で他の自治体に行く際は証明書を提示

・制限地区内にある家に帰ることは可能

・高齢者や持病のある人は自宅待機

・教会のミサや儀式は停止

・カフェやレストランは18時閉店

・薬局は通常営業

・幼稚園、学校、大学は閉鎖

・集会やイベント、デモは禁止

・パブ、映画館、フィットネスクラブ、プール、ダンスホール、美術館、図書館は閉鎖

・市役所の業務は緊急を要する事項のみネット上で受け付け

・買い出しは各家庭につき1名で

・宅配業者は通常営業


 家から一歩も出られないわけではなく、買い物も散歩もできます。仕事で他の街に行く場合は証明書的なものを出す必要があります。首相の会見によると、このとき偽の証明書を提示すると罪に問われるらしいですが、抜き打ち検査でもやるんでしょうかね。


 ネット上では #Iorestoacasa(私は家にとどまる)がスローガンとして掲げられています。


 私はもともと引きこもりなので、イタリアにいても日常はいつもと変わらなかったんじゃないかと思います。休日はせいぜい公園に行く程度で、冷蔵庫が空っぽになったらやっと買い出しに行くくらいだし。


 外交的なイタリア人に「土日は誰とも会わずに家にいた」なんて言うと変人扱いされるけど、今なら堂々と引きこもれるので家でやりたいことを喜んでやってたんじゃないでしょうか。


 正直、大切な人たちから離れて報道で感染者と死者の数字の変化だけを見ている今の状態のほうが精神的にきついものがあります。でも、泣かないで出来る限り普通に過ごそうと思います。


 これより前、新型コロナウイルス感染の予防策として保健衛生省が次の項目を発表していました。


・人と接する時は1メートルの距離を保ってね

・混雑した場所に行かないでね

・咳やくしゃみをする時はティッシュや肘の内側で鼻と口を覆ってね

・熱がある時は救急外来に行かず、まず主治医や地域の指定の番号に電話してね

・事態が終息するまで握手やハグを控えてね

・目や鼻、口を手で触らないでね

・石鹸やアルコール消毒液で頻繁に手を洗ってね


 このハグに関する規則を皮肉って、「アブラッチ(ハグ)」という商品名のビスケットのパロディ画像が登場。


 チョコとミルクの2色のビスケットが縦に合わさったドーナツ形で、ちょうど2人の人間が抱き合っているように見える有名なビスケットなんですが、画像ではこの2つが離して置かれ、商品名もアブラッチではなく「サルーティ(挨拶)」。


 パッケージに書かれた「1メートルの距離をあけた初のビスケット」というキャッチコピーがふるってます。


 当時、といってもほんの数日前ですが、国民は感染そのものに対してそれほど危機感を抱いていないように見えました。これに国立衛生研究所の偉い人がブチ切れて


「不要不急の外出は控え、人と会うときは距離を保ち、混雑する場所には出向かないで下さい。病院をパンクさせないために各人がしっかりと予防規則を意識するようお願いします、特に高齢者の方」


 という勧告を出しました。要するに上記の7か条を「守れってんだよボケ」というわけですが、今はさすがに国民も青ざめたのか、外を出歩く人は少ない模様。


 先週のクアルト・グラードは、コロナ関連の話題はラストで小さく扱っただけでした。メインはナポリで15歳の少年が非番の警官相手に強盗を働こうとして射殺された事件。


 あと、ローマで別々の場所に住む3人の女性が郵便爆弾を受け取った事件。いずれも封筒に小箱が入っており、それが爆発して全員が手や顔に軽傷を負いました。被害者は互いに面識がなく、送り主の欄に書かれた名前はそれぞれの昔の知人。


 犯人の目的は? 被害に遭った3人の女性には隠れた接点があるのでしょうか。ちょっとミステリ向きじゃないですか?







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