犯罪情報番組とコロナ

「クアルト・グラード」という人気テレビ番組がありまして。


 殺人や失踪など未解決事件の現場を訪れ、専門家に意見を聞いたりして検証する、要は日本にもよくある類の事件情報番組。


 昔ありましたよね。今もあるのかな、生放送で行方不明者を公開捜索! とか「元FBI捜査官」が緊急来日! とか。霊視で遺体はここにあるとか言って、掘っても何も出なかったりするやつ。


 クアルト・グラードで一番熱かったのはロベルタ・ラグーザ事件です。


 ある日、公務員の妻ロベルタが自宅から姿を消した。小川や井戸を捜索しても手がかりはなく、警察犬も役に立たない。


 安否が危ぶまれるなか、夫の愛人の存在が浮上。失踪直前、夫婦の間で口論に発展していた事実が発覚します。浮気相手はベビーシッターとして雇われていた女。妻がいなくなった後、夫は彼女と同棲。事件前後の怪しい行動が次々と明らかになり、ついに殺人と死体損壊の容疑で起訴(遺体は発見されていない)。検察側の主張する動機は「離婚によって生じる経済的損失を回避するため」。


 夫は容疑を否認していて、番組で無実を訴えます。しかし、その目つきがなんというか


「みんなの考えるサイコパス」


 なんですよ。


 整った容貌で、決して悪人顔じゃないのに「お前絶対やっただろ」って思われてそうな。クリミナルマインドだったら拷問部屋で無表情にカバンから医療器具を取り出しそうな。分かりますかね。


 ところで、なぜこの番組の話かというと、先週が話題のコロナ特集だったから。


「えっ」て思うでしょ。病院から最新の情報を中継でお伝えしますって、いやお伝えしなくていいから。正確な情報は必要だけど、無駄に不安を煽らなくていいから。


 あるときロベルタの成人した息子が登場しました。司会者(この人も人相が犯罪者)が言います。


司会者「さあ、お母さんを殺したどうか、お父さんに聞いてみて」

息子「パパ、ママを殺したの?」

父「殺していない」(虚ろな目で)


「この番組製作者タチが悪いな〜♪」とか言いつつビール片手に鑑賞するのが金曜夜の至福のひとときだったのに、どうしちゃったの。未解決事件だけ扱ってればいいんだってば。


 で、これを書いている今私は日本にいますが、イタリアで最初の陽性反応が出たあと街を閉鎖して片っ端から検査、という一連の流れが超スピーディでしたね。


 感染者と接触した可能性のある人と、その人が乗っている列車を特定し、走行中の列車を止めて医療関係者が乗り込んで検査したとか。結果は陽性だったような。


 それほんとに私が知っているイタリア? その機動力、平常時はどこにしまってあるんですかね!?

 

 普段ダラダラで列車が90分遅れとか、身分証の発行が半年待ちとか。郵便物が届かなくてどっかいっちゃったとか、〇カ月後に届いたとか。


伊「ここはイタリアだからさ〜仕方ないんだよね~HAHAHA」

私「そうですよね〜HAHAHA(怒)」


 ……私、もしかして騙されてた? 君達ほんとはやればできる子なんじゃないの?


 ここはイタリアだからって言い訳もう通用しないからね!


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