クリスマスに欠かせないもの
密かな楽しみってありますか?
私はカップ麺のスープにご飯をぶっ込むのが楽しいです。激辛系のカップ麺が好きで、そこにご飯を加えると最の高。今日は楽しみにとっておいた辛○ーメン♪ 麺をすすりながら「エロ親方」と「日常生活」を推敲していたら集中しすぎてご飯投入前にスープを飲み干してしまい頭を抱えている橋本です、こんにちは。
☆.。.:*・゚
作業服の人が大通りに電飾を取り付けはじめると、ああクリスマスが来たなあと実感します。
イタリアのクリスマスの電飾は通りを横切るようにワイヤーを渡し、紐、ボール、星などを吊るします。
紐ってなんだ、紐って。これまでの人生で、いかにイルミネーションに関心を払わないで生きてきたかがこの語彙の貧しさから分かりますねえ。
イルミネーションってそもそも、ただの電球ですからね。
同じ電球でも街明かりなら好きです。
夜行バスや夜間のフライトで真っ暗な田園地帯に1カ所だけ光が密集していると、ああ、あそこに町があって人がいて生活が営まれているんだなあと思って、なんかブワッと泣きそうになってしまうんですよ。
ちょっと何言ってるのか分かりませんね。
イタリアのクリスマスの電球、ゆるくて素朴でなかなか良いです。キラッキラのリア充イルミネーションを見ると河原で小石を投げたくなる私も、シンプルな電飾にはホッと安らぐし、逆に心が浮き立ったりする。不思議です。
で、救世主の誕生を祝うクリスマスに、ライトアップと並んで欠かせないものがあります。
それは、「プレゼピオ」!
プレゼピオとはイエス・キリストが馬小屋で誕生したシーンを再現したジオラマで、12月になると各地の教会や広場、家庭に飾られます。
聖母マリアと夫ヨセフの間に赤ちゃんのイエスが置かれ、貢物を持った東方三博士や家畜、羊飼いたちがそれを囲みます。
イエスは最初はいません。12月25日に生まれたという前提なので(正確な誕生日は分からないらしい)誕生前に存在したら変だというわけです。こだわりが深いですね。イエスはしまっておいて、25日の0時になったらそっと飼葉桶の中に置かれます。
だから12月のイタリアはフィギュアでいっぱい。ミニチュアの小屋や農作業道具、羊、にわとり、犬やロバなどで溢れ返るので箱庭好きの私は楽しくて時間を忘れてしまいます。
でも、このプレゼピオ。伝統を忠実に踏襲しているのはいいのですが、毎年同じなので(私だけだと思うけど)何か物足りなさを感じてしまうのです。
イタリアでも南のほうはプレゼピオの習慣が特に盛んで、コンテストが開催されたりします。作品はどれも手が込んでいて素晴らしく、でも日本の「変わり雛」のように伝統に風俗を採り入れて楽しんだりはしないようで。あくまでも決められた枠の中でオリジナリティを競うんですねえ。
私が毎年お邪魔するイタリア南部のお家でも毎年同じフィギュアで同じ配置です。変化が欲しいので日清カップ〇ードルのおまけのガンプラをこそっと混ぜておいたらバレました。完全に羊と同化してたのに……
(あ、ガンダムは初期のアニメをちょこっと見ただけなのでお名前は存じ上げないんです。赤いやつ。)
けれど、思えば西洋絵画でも聖書や伝説の登場人物は外見やアイテムが記号的に決まっています。キャラが特定しやすいように。例えば聖母マリアは青いマント、ヨセフなら大工道具が目印。アトリビュートといいますが、その制約の中でルネサンスの芸術家たちは腕を競い合ったのでした。
決められた一定の枠があるからこそオリジナリティというのは光るのかもしれません。
☆.。.:*・゚
というわけで、このエッセイの2019年の更新は今日が最後です。エロ親方のほうはもう1話くらい更新するかも。
それでは今年1年ありがとうございました☆
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