クッキーを焼いた話

 砂糖抜きのヘルシーなビスケットにしたかった。


 朝食の話です。


 朝ごはんって何食べてますか?


 こちらではパンやビスケットが多数派です。パンは、バターやジャムはもちろん、蜂蜜をかけたり、ヌテッラを塗ったり。


 Nutellaヌテッラはヘーゼルナッツをベースにしたチョコレート味のクリームで、これを置いていないスーパーはイタリア広しといえどもまず無いのでは。濃厚なコクがあり、でも甘すぎず、いちどハマったら癖になる味。そのまま食べるもよし、カリッと焼いたクロワッサンに挟むもよし。


 最初の頃は安売りのビスケットを買っていた。クッキーやビスケットの類いがスーパーで安い。チョコチップ入りでボリュームのあるクッキーが袋にごっそり入って€.1,5(日本円にして約180円)程度で買えちゃう。


 しかし毎朝それで空腹を満たすのはよろしくないと気付きまして。カロリーが気になるお年頃。考えを改めて砂糖不使用のやつに切り替えました。Granceleareグランチェレアーレという全粒粉ビスケットが最近のお気に入りです。


 難点は食べたらなくなること。その都度スーパーまで買いに行くのがめんどい。


 内なる猫ちゃん(マリー・アントワネット)が言いました。


「お菓子がないなら作ればいいじゃなーい」


 小麦粉余ってるし。


 ここで引き返せばよかったんですけどね。


 料理苦手です。


 昔、パイを焼いたらザ・フライの最終形態になりました。「ザ・フライ」という昔のSF(ホラー?)映画がありまして。あ、フライって揚げ物じゃなくてハエ。


 このあとネタバレだから観てない人は読んじゃだめ!!

 



 ラストで主人公が装置からゴロンと出てきて、



 ……シテ………コロシテ……



 ってなるんですが。




 はいネタバレ終わり。


 パイ生地を入れて焼いたらあいつがオーブンから出てきた。


 がさつなのがいけないんですけどね。下手くそでも何とかなってしまう料理はまだいいけれどお菓子は壊滅的にダメです。あれ、職人技ですから。


 クッ○パッドで検索したら「簡単☆クッキー」的な、私にぴったりのレシピがヒットしました。小麦粉と蜂蜜をビニール袋に入れて混ぜて伸ばして型で抜いて並べるだけ。簡単、それ重要。


 180℃のオーブンに入れて待つこと10分。


 ……

 ……

 ……


 見た目の敗因としましては、クッキー用の型というお洒落なものがないので包丁で適当に四角や三角に切ったのがいけなかったようです。アベンジャーズが帰ったあとの瓦礫の山みたい。


 あまりにも不味そうなので友人に画像を送ると、彼女はコメントに困りながらも気を使って


「今度レシピ見ていっしょに作ろうね!😅」


 と言ってくれました。


 ……

 ………

 …………


 レシピ見て作ったんじゃよ。


 働いてる人がササっと食べてダダっと出かける朝の光景は日本とあまり変わりません。シリアルやクラッカー、果物を食べる人も。同居しているイタリア人はオーツ麦にナッツとレーズンと刻んだリンゴを入れて食べてます。「それ鳥のエサ?」と聞いたらむせてました。


 朝食のバリエーションって人の数だけあるんですねえ。




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