第六話~Past mistakes(過去の過ち)

次の瞬間、正面の実験器具が再び高温になり、実験器具が赤く光り出し始めた。

「もう駄目だ…室温も上昇し始めている…」

室長は部屋の温度計に目をやった

温度は40℃を超えていた。

室長は目を閉じ最後のサンドスターロウを

実験器具に注ごうとした、

しかし、その瞬間実験室のドアが蹴破られた

「!?」

室長はドアの方に振り向くとそこには、

メガネと、実験室の隣室で見ていたコンが 消火器を持って入って来た。

「さあ室長!早くここから出てください!」

メガネが室長を連れ出した

「ちょっと待ってくれ!メガネ君!」

室長がコンの方に目をやった

「彼はパークレンジャーです!安心して下さい!」

メガネは瞬時に答えると室長を出口まで

連れて行った。

その間コンは消火器(液体窒素)で器具を  冷やし続けていた。

「…!?(あれは高圧電線?コイツを断ち切れば実験器具の電気を遮断できるのでは?)」

そう思ったコンは腰に差していたナイフを

高圧電線目掛けて投げた、ナイフは見事に

命中し、バチバチ言う音と共にと高圧電気を

遮断した。 

「(よし…あとは冷めるのを待つだけ…)」

しかし、非情にも悲劇は起こる、

高圧線を断ち切ったナイフは刺さりが甘く

自重で落下する、その先には…実験で使用 する冷却水が蒸発した蒸気が通るパイプがあった。

「まず…!」プシューーーーー!!!

コンが言い切る前に部屋は蒸気に包まれた。

~数分後~

コンは園内病院のベッドに寝かされていた

「…やっと目が覚めた、コン君?だっけ?」

話し掛けたその男はメガネだった。

「あの研究所はどうなった?」

メガネはタブレットの様な物を差し出し見せる。

「この通り、木っ端みじんに吹き飛んで今、パークの理事会が記者会見中…」

メガネは病室のテレビをオンにして見せた、

そこにはパークスタッフ一名負傷と出ていた

「ジャパリパーク…原因不明の爆発事故、負傷…か」

「君は本当にラッキーだったよ、何てったって全身火傷を負っても、爆破に巻きこまれてもサンドスターのお陰で全くの無傷」

コンは体のあちこちを見たが確かに傷は一つも見当たらない。

「…まあ、しばらくは僕が経過を見るからよろしく、それと、君の荷物はそこにあるよ」

メガネの指差す先にはコンの肩掛け鞄があった。

「ああ、助かる」

「それじゃ、」

「おう」

メガネが部屋を出て廊下を歩く音が消えると

又、ドアが空いた。

「やあ!コン!無事で何よりだ!」

「コヨーテ…」

コンの友人、コヨーテが面会に来た

「もう動けるのかい?」

「ついさっき目覚めたところだ…全く散々な目にあった…」

するとコヨーテは端末を差し出した

「……!」

コンは驚きのあまり端末を落としてしまった

「こう言いたくは無いけど…君の吹き飛ばした研究所からセルリアンが大量に流出してしまったんだ…」

コンは声も出ない

「でも、安心して、君の立場は保証されてるから、悪いのは君じゃないからね」

コンは安堵のため息をつき、コヨーテの端末を返した。

「俺は動けるようになったらすぐにセルリアンハンターズに復帰する、そして自分のミスを自分で片付ける」

するとドアが勢い良く開いてメガネが出て来た。

「やっぱり君もセルリアンハンターズか…」

「!?」

「今の会話を聞き取ってたのか」

メガネはコンに腰に付ける道具一式を返した

「ただのパークレンジャーがコンバットナイフなんて持たないしね」

そして白衣の下に隠していたコンバットナイフも手渡し、手招きした。

「取りあえず君をハンターズ本部に送り届けるよ」

「ああ、頼む」

「じゃあまずは着替えてくれ!コン!」

コヨーテは元気よく言うとコンのいつもの服を渡した、ただ、まだその時は帽子にはワッペンはついて無く、ただのブーニーハットだ。

~3分後~

「待たせたな…」(大塚さん風)

「何処かの蛇の真似事は良いから行くよ!」

メガネはコンに手招きし、病院の裏口を通って外に出た。

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そこまで話していると唐突にサイレンが鳴り響く。

「セルリアンがパークセントラル近辺の森林地帯に出現、驚異レベル4繰り返す…」

コンはため息をついて立ち上がった

「今日はここまで…まぁ次話すかは知らんが、サッサと準備して行くぞ…」

「えー…」

「そんなー…」

「オーダーキツいっすよ…」

「…」

上からヒグマ、キンシコウ、リカオン、メガネの順に文句を述べ、渋々準備をし、出動した。

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5時間後

「疲れましたー…」

キンシコウがソファーに座りながら手足をううんっ!と伸ばした。

「お疲れ、皆、そう言えば一日に二回も仕事が来るのは久しぶりだな…」

コンはコーヒー片手に呟いた。

その隣で椅子に座ったメガネがパソコンを真剣な顔つきでいじっている。

「…やっぱり…ここ最近のセルリアン出現率が高いね…これは大規模なセルリアンによる攻撃が来るかも…」

コンはコーヒーを飲み干した。

「考えすぎだ…メガネ、よし!皆!今日はゆっくり休んで明日に備えろ!さあ、部屋に行った行った!」

コンも自室に帰って行った。

~コンの自室~

コンはPCを開き、セルハーモニーについての記述を読みあさっていた。

あらかた読み終えるとメガネの言葉が頭をよぎる。

「…大規模な襲来…」

そう呟いてベットに倒れ込み、ベットの小脇にある写真立てを手に取った。

そこには笑顔のコヨーテとミライ、メガネ、そしてコンがいた。

「…」

コンは静かに眠りに着いた。

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おまけ、セルリアンハンターズ入隊許可証

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  セルリアンハンターズ入隊許可証


     氏名«○○○○»


上記の物をセルリアンハンターと認め、  パーク内の安全をセルリアンから守る事を

正式に許可します。


セルリアンハンターズ隊長 HAT

対一般セルリアン部隊隊長 ZAN

対特定特殊セルリアン部隊隊長 KON

セルリアン偵察部隊隊長 SIN

情報漏洩防止部隊 K

事態隠蔽部隊 KAMIIRA



⚠この書類は他人に公開すると効力を失い ます。

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後…3日



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