第三話 Dispatch order(出動命令)

翌朝リカオンはサイレンで目を覚まされた

「うぁ!何なんですか?朝から…」

「起きて下さい出動命令ですよ」

リカオンが混乱する中キンシコウが武器を

手に部屋に入ってきた

「朝からオーダーキツいっすよ~」

リカオンは泣く泣く腕章を腕に、ワッペンを

胸に付け下の階へ下がっていった。

そこではコンが既に昨晩着ていた黒Tに灰色ズボンではなくハンターズの緑のジャケット

腰にはナイフホルダーとウエストポーチ

頭にはよく見るとワッペンが付いている  迷彩柄のブーニーハットを被って待っていた

「おはようリカオン、本入隊初日で申し訳 ないがゴコクでセルリアン発生の報告を  受けた、どうやらいつもと違うセルリアン らしい」

「だから僕達が送られるんでしょ?    対特定特殊セルリアン部隊…良いのは名前の響きだけか…」

メガネは白衣にサンドスターの輝きに近い色をした液体が詰まった瓶を腰に3.4個程

付けていた、それ以外は普通に白衣とメガネ腕章だった。

「セルリアンはいつ来てもおかしくないと

いってもまさかこんなタイミングで来るとは…」

ヒグマが眠たそうに言う、既にヒグマは熊手を手に持ち腕章を付けていた。

「さて、そろそろ車に乗るぞ一刻を争うからな…」

コンを先頭にぞろぞろ車に乗り込んだ。

       ~数分後~

車は立ち入り禁止区域に入ろうとしていた。

「リカオン席の手前のモニターに経路が映し出されてるだろう?」

コンはバックミラーで後部座席のリカオンを見ながら言った

「そのモニターにセルリアンの反応が   映される、赤い点が出たら教えてくれ」

リカオンはモニターに目を凝らしながら

「オーダー了解です!」

と言った。

「ヒグマとキンシコウは目視でセルリアンを探してくれ」

「任せろ!」

「了解です!」

ヒグマとキンシコウは車窓からセルリアンの

索敵にあたった。

数分後、

「コンさん!赤い点が出ました!」

リカオンが大声で叫んだ

「よし、こっちのモニターにも回す…メガネ」

メガネがスイッチを切り替えると     フロントガラスに大きな赤い点と距離が表示された

「やっぱ見づらいな…まあ仕方ないか…」

残りが30メートルになったところで車を 止めた。

「メガネ、キンシコウは後ろに回れ、  リカオン、ヒグマは左右に分かれろ、

俺は正面から行く、全員が定位置に着いたら

無線で連絡を入れること、OK?」

「解ったよコン」

「了解した」

「解りました!」

「オーダー了解です!」

3分後

「こちらコン全員に伝達する、セルリアンは

どうやらトラックをコピーしたようだ、

繰り返す、セルリアンはトラックをコピーした、加速や突進に気を付けるように…   オーバー」

リカオンは茂みから頭を出しセルリアンを

観察していた、

「結構でかいですよ…あれ本当に倒せるんですかね…」

次の瞬間無線が入った

「よし、行くぞ皆!3…2…1…GO!」

全員がセルリアンに向かって飛びだし、

各々の武器を振るった。

しかし、セルリアンも無抵抗では無かった

キュルルルルルと言うダイヤが回転する音がしたと思った次の瞬間にコンのいる方に  全速力で突っ込んで来た。

「ぐっ!はっ!」

コンは派手に吹っ飛ばされ地面に叩きつけられた。

「大丈夫かい?コン?」

メガネが心配そうに駆け寄った

コンは額の部分から血液が垂れて来ていた

「イタタ…包帯をくれキンシコウ…」

キンシコウはすぐに包帯を出し、渡した

コンは額のやや上の主血部分に包帯を巻き付けながら車を指差し

「あっちの方面はちょとした一般来場客用の

街がある…急いで追わなければ甚大な被害が出る、乗れ!」

「コンさん!怪我をしているのにまだ追うんですか!?止めて下さい!さっきはたまたま助かりましたけど…次は無いかもしれませんよ!」

キンシコウが車運転席前でコンを説得しようとしていた。

「…良いかキンシコウ、我々は来園者と

一般スタッフ、フレンズを守らなくてはいけない、いいな?確かにお前たちは強いしかし

強さだけがセルリアンハンターに必要な訳では無い、俺は今確かに少々動き辛いかも知れない、しかし車の運転と援護位は出来るさ、

さあお願いだ乗らしてくれキンシコウ」

キンシコウは静かにドアの前を退き、自分の席へ座り、シートベルトを締めた。

「例のセルリアンはかれこれ2㎞移動した

今現在は速度を落としている、セルリアンに

追いついたとしても街までの距離は

立ったの5㎞しかない、時間との勝負だ

行くぞ!」

移動中

「本当に無茶するヒトだよなコンは」

ヒグマはキンシコウに話し掛けた

「そうですね…本当は頭以外にも傷があるん

だけど…コンさんはいつもムリしすぎですね」

キンシコウはため息混じりに言った

「それにしてもコンさんの援護って

何でしょうね?」

リカオンは車窓を眺めるのを止めて聞いた

「それは着いてからのお楽しみだリカオン」

車は森林地帯を走り抜けながら着実に

セルリアンに向かっていった。


次回 Fight against time(時間との戦い)

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