外伝 世界が消える悦びに

ああ、消えていく。全部全部。

「しばらく会えそうにないかな。」

消えた世界であたしは1人。いつかまた喜べるから。

「また終わるのか?」

あたしに似た雰囲気の違う少女が言った。

「まだ終わらない。いつか幸せになるから。アハハ、楽しみ。」

「それにしては顔が笑っていないが…」

「別にいいでしょ、あたしはエクステラでもないミリと合わせたんだから。あれは一体誰なんだろうね。」

「それこそ初代の思い違いなのかもな。」

「どう?同じ消えたもの同士仲良くする?」

「いや、まだ消えてない。どちらもな。いつか来る運命に従って。」

「あなたの考えってつまんないって思ってたけど、今は面白いかな。」

「それは楽しいってことか?」

「アハハ、違うよ。私の悦びかな。」

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