ハッピーエンド

後日、魔王城には街が造られていた。今まで会ってきた色んな人が私を称えるために冒険者の街を造った。

そして、私は別れの時を迎えた。

「お姉ちゃん、行っちゃうの?」

「うん。あっちはまだ終わってないからね。」

「レイ、泣いてはいけませんよ。私も悲しいですが、別れは来ます。うぅ…、やっぱり寂しいかも。」

「2人ともありがとう。きっとまた来るから。」

そして、私は振り返らずに泉へと向かった。

泉の入口ではイルマ君が待っていた。

「やっぱり行くのか…」

「大丈夫。これがハッピーエンドだから。信じようよ。それにきっと私はまた来るから。だって…」

エクステラは振り返り、今まで以上の笑顔で言った。

「まだイルマ君は幸せになれてないからね。」

そして、エクステラは走っていった。


「準備はできましたか?」

「うん、もう大丈夫。早速始めて…こっちで泣きたくないから…。」

「ええ、では目を閉じてください。」

目を閉じると意識が遠のいていく。でも、その中で今までの冒険の記憶が蘇っていく。きっと私は忘れるだろう。このままだと幸せになれないから。でも、いつかまたこの世界に来る。だって、それが私の本当に幸せな運命だから。

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