破壊編 第2話 人形の形、怒りの端
その日、クリームは有間から外の世界で歩いてくることを命じられていた。
「マスターったら、私は大丈夫なのに…」
そう愚痴を漏らしていたがそこで4人の男に囲まれていたことに気づいた。
「なぁ、彼氏いないなら俺達がなってやろうか?」
よくある典型的なタイプの悪い輩だ。
「やめてください。私には仕えるマスターがいますので。」
先へ進もうとすると腕を掴まれた。今はある理由で出力が下がっていて力は使えない。私は反射的に叫んだ。
「ったく、男共は馬鹿が多い。俺はそういうのが大嫌いなんだ。」
そこにはパーカーを身につけた人が立っていた。フードで顔はよく見えなかった。
「お前人数差っていうの分かるか?逆らうならボコボコにしてやる!」
男の1人が殴りかかった。
それを彼はそのまま受けた。
「うぜぇな。あまり騒ぐんじゃない。俺は怒りたくない。」
「へぇ、そうか。なら怒らせてやるよ!」
もう1人も襲いかかりそれをかわした時にフードが外れ顔が分かった。意外な人物だった。それは妹様にそっくりだった。男達は女だとわかった途端態度を変えた。
「へぇ、お前女だったのか。なら俺達に逆らえないように調教してやる!」
今度は4人で襲いかかった…だが、4人の男は瞬く間に吹き飛ばされた。そこにいたのは先程と雰囲気の変わったミリだった。幼く女性らしさがまだない未発達の体が女性らしい体つきになっていた。
「ちっ、だから私はあまり怒りたくはないんだ。この姿も嫌いだ。」
彼女の仕草や口調に女らしさが目立ってくるようになっていた。
「お前、大丈夫か…」
「あなたはミリさんですか?」
そう聞くと彼女の険しい表情が曇った。
「あまりその名で呼ばないで欲しいが…それを知っているってことはあいつの使いか?」
「あいつって誰でしょうか?私は有間様の使いのクリームと申します。」
「おい、有間と言ったか…」
「ええ」
その名を聞くと彼女はすごく恥ずかしそうにしていた。
「会いたいのならお連れしますが…」
「あいつもいるのか…?」
「あいつって誰ですか?」
「私と犬猿の仲のエクスバースってやつだ。有間と一緒にいるんだろ?」
「え、ええそうですが…何か問題でも?」
「問題だらけだ!犬猿の仲と言っただろ!」
その時、マスターからの命令が出た、“至急戻ってこい”と。
「今、マスターから帰還命令が出ました。あなたも来るなら早くしてください。」
「………」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます