封印編 第3章 第6話 垣間見える悪意

気がつくと全員は元いた屋敷にいた。

「よく出来ました。あなた達のことは確認しました。」

そこには先程の吸血鬼と魔女らしき人がいた。

「ミラ姉…何がしたかったの?」

ヨミが問いかけた。

「あなた達の本心が知りたかっただけ。悪かったわね、ミル…ではなかったわね。」

「別にいいよ。ミラ姉になら昔の名前でも。今は…それでもね。」

「やはり気がかりなのね。どうしてそうなってしまったかは聞かないわ。」

「ありがとう。別に裏切る気なんてないから。」

その会話を聞いている全員はとても重い空気だった。それぞれの思惑が出てしまったのか。それは今はどうでもよかった。

「私も行きます。ミレーユ、今まで悪かったわね。」

ミレーユが一礼するとミラはこちらへ向かって言った。

「さぁ、早く行きましょう。」

全員が何かを抱えながら帰った。



「会わなくてよろしかったのですか?」

ミレーユは後ろの存在へ向かって言う。

「今は…な。ここにいるのはかつての旧友に会いに来ただけだ。」

「それは嬉しいけど…貴方は…。」

彼は立ち上がって言った。

「そうだな。太陽の僧としてかミロクとしてか…どちらにせよ約束は果たす。洋茶はやはり口には合わんが、少し気休めに放った。礼を言わなければな。」

僧衣をまとった人物は一礼をし、立ち去った。

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