第3幕 エピローグ

「ねぇ、お兄ちゃん。」

エクステラは少し気恥しそうに有間に話しかけた。

「もしも私がお兄ちゃん以外に恋をしたらお兄ちゃんはどうするの?」

「そうだな、かわいい妹が好きという人なら別に構わない。お前が欲しいのは愛じゃなくて幸せだろうからな。」

「そっか…やっぱりお兄ちゃんは何でもお見通しなんだね。」

「妹たちには幸せになってほしいからな。エクステラは他の誰よりも賢い。中身は賢くて、外が馬鹿な方が一番賢いと言える。だから、ゆくゆくはエクステラがみんなをまとめて引っ張っていく存在になる。頑張れよ。」

そう言い、有間はエクステラの頭を撫でた。エクステラはソレを幸せではなく、どこか昔とは違う自分を感じた。この行為すらも今のエクステラには愛情行為ではなく、ただの応援にしか聞こえないから、だから、エクステラは最高の作り笑いをする。あの日の彼が一番好きだった笑顔だ。エクステラにとってこの笑顔は彼との繋がりでもあり、自分の変化を感じる嫌いなものでもある。でも、エクステラはいつかの幸せを信じながら笑い続ける。

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