封印編 第3章 第2話 鏡の試練の始まり

8人は山奥にある館に着いた。扉を開けると空飛ぶ何かが近づいてきた。

「ふっふっふっ、わが吸血鬼の住処に足を踏み入れるとは…命知らずなものだ。」

呆れている有間とミナ、興味で目を輝かせているエクルとエクステラ、怯えて他のメンバーの後ろに隠れる未離とクリームとミミ。反応がそれぞれ違ったが、その吸血鬼とみられる人物はある二人を見て態度を改めた。

「コホン、ごめんね。まさかミラの妹さんが生きているなんて思いもしなかったからいつもの癖で驚かしちゃった。」

その吸血鬼に案内されて館の中へ入っていった。


「ふ~ん、それでミラを探しに来たのね。」

その吸血鬼に事情を説明した。

「確かに私のところにミラはいるわ。だけど、会わせる前にいくつか話を聞いてもらってから、試練を受けてもらうわ。」

そのように言ってきたのでそれを了承した。

「昔、ミレーユという吸血鬼がいました。そして彼女にはミランダという魔女の親友がいました。しかし、ある事件をきっかけに魔女は心を閉ざしてしまい、偽物の妹を殺して狂ってしまいました。魔女は親友である吸血鬼やついには自分も信じられないまま悪者にとらわれてしまいました。そこから助けようとしてくれたのは自分が最も憎んでいたある僧でした。しかし、そのまま魔女は殺されてしまいました。誰が正しく、誰が悪いのか分からないままに。だから、魔女は吸血鬼によって蘇った後も正しさを試すのです。」

ミミやヨミを含めたほぼ全員が興味深く聞いていたが、ただ1人だけ、まるで当事者のように知っているような反応をしたことを有間は見逃さなかった。

「だから、あなたたちには自分の中のモノと会ってもらいます。」

その瞬間、鏡が現れ全員を飲み込んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る