封印編 第2章 第4話 想魔刀『火偶憑智』
戦いは長引いた。なぜなら、奴には実体がない。攻撃が効かない。そして、ミロクは話す。
「どうした。我にはそんな攻撃など当たりはせぬ。」
有間は言った。
「これは少し考えた方が良さそうだな。俺の創造の攻撃は実体がある相手には無敵だ。だが、これではらちが明かないな。」
ミロクは言った。
「これでどうだ?」
ミロクはヨミの刀にお札を当てた。そのお札を見たヨミは呆然とした。そしてヨミは動いた。
「…分かりました。………私の想い、燃え上がれ!」
『紫怨の灯』…
そう叫んだとたん、ヨミの刀は紫色の炎をまとった。そして刀を地に突き刺すと周囲に紫色の炎が広がった。しかしその炎は決して人を傷つけなかった。
「やっと力が戻りました。霊体相手なら任せてください。この我が愛刀『火偶憑智』の力、お見せしましょう。」
ミロクは言った。
「少々、甘く見た。今回はお暇しましょう。」
そして、ミロクは消えていった。一同は警戒しつつ、しばらくの間体を休めた。そこでヨミは小さな声でつぶやいた。
「…ミロクさん。いや、お師匠様…どうして?」
有間はそのつぶやきを聞き逃さなかった。そして、あの札に書かれていたことも見逃さなかった。“私ミロクは師匠として、いや大切な人として教えよう。想いの力だ。今は覚えていないだろうが、あの約束…の為に待っているからな。”
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