封印編 第1章 第2話 無罪の孤独

有間が立ち止まり言った。

「この辺らしいな。」

4人は辺りを見回してみた。

「ありました。」

エクステラが言う。そこへ駆けつけると大きな結晶の中でぬいぐるみを抱きながら眠っている少女がいた。

「ビンゴだ。」

急に声が響く。エクスバースの声だ。これが例の未愛を使った連絡法というやつだ。

「少し待っていてくれ。」

エクスバースが言った。少ししてまた声が響く。

「よし、分かったぞ。内部以外には特殊な封印は無い。物理的に割ってもいいが、一応オリジナルの力で封印を無効化してくれ。」

未離はノリノリで敬礼しながら言った。

「了解しました。」

未離が右手をかざすと、結晶は割れた。そして、封印されていた少女は起きる。

「んんー、ここは…」

少女は言った。相談の結果エクステラが相手をすることになった。エクステラは言う。

「君、なんて名前なの?」

少女は答える。

「んーとね、私はミミっていうの。でね、この子は…あれ?」

一同は驚いた。封印されているときに抱いていたぬいぐるみが消えていたのだ。エクステラは言う。

「へー、ミミちゃんって言うんだ。あなたはね長い間封印されていたんですよ。」

相変わらずの不謹慎さに全員がやれやれと思う中、ミミは答える。

「そうだ、私、急に目の前が真っ暗になって、それから目を覚ますと目の前のものが全部壊れてて、それで…」

エクステラは泣き出したミミに話しかける。

「ミミちゃんが泣く必要は無いよ。私だって昔そんなことがあったよ。あまり覚えていないけど…」

エクステラはミミを撫で、続けて言った。

「でもね、ミミちゃんの罪は自分だけが抱え込むことじゃないよ。私達も背負ってあげるから。だから、ミミちゃんも一緒に来ませんか?」

その言葉を聞いたミミはエクステラにしがみつきながら泣いた。その光景に感動し涙を流す未離とクリームの裏で真剣な顔でとある通信をしている有間がいた。その通信の内容は、【エクスバース、もし彼女の虚無の力が暴走したならば、壊れているはおかしな表現だな。虚無の力ならば消えているのが普通だ。】

そんな5人を影から見ている影があったなんてことを知るものは誰もいない。

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