冥府に宿った黄泉への手向け(封印編外伝)

―我には尊き花さえ掴んだ気でいようともそれは幻にさえ等しき夢であると悟った―

「やれ、私の言葉でさえ不振と感じる。また生気に宿った運命か…。それが生むのは再起の心か…、いや期待はしない。」

私には約束があった。今はもう果ててしまった。

「さて、ここは…」

古びた部屋に私はいた。それは私の運命の始まりと終わり。

「運命の悪戯か、我にもう一度か。まったく、神も仏も私を咎めない。むしろ…」

外を覗くと一人の着物の少女がいた。その少女を見ていると今までのことが鮮明になってくる。

「もう一度…か。」

私は自身の身に着けている僧衣を掴み、想いを振り切った。

「運命の悪戯か、可能性はまだある。運命に抗うものが現れる。我らにも運命から抗える可能性…まるで化け物だな。それになんだか懐かしいやつもいるじゃないか。アレもこなさねばならないな。」

私は笠を被り、杖を手に取る。

「場所は、“私”の始まり。罪なるもの。」

―我は試す、運命に逆らう可能性を

私は視る、悲劇を終わらせる可能性を―

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