冥府に宿った黄泉への手向け(封印編外伝)
―我には尊き花さえ掴んだ気でいようともそれは幻にさえ等しき夢であると悟った―
「やれ、私の言葉でさえ不振と感じる。また生気に宿った運命か…。それが生むのは再起の心か…、いや期待はしない。」
私には約束があった。今はもう果ててしまった。
「さて、ここは…」
古びた部屋に私はいた。それは私の運命の始まりと終わり。
「運命の悪戯か、我にもう一度か。まったく、神も仏も私を咎めない。むしろ…」
外を覗くと一人の着物の少女がいた。その少女を見ていると今までのことが鮮明になってくる。
「もう一度…か。」
私は自身の身に着けている僧衣を掴み、想いを振り切った。
「運命の悪戯か、可能性はまだある。運命に抗うものが現れる。我らにも運命から抗える可能性…まるで化け物だな。それになんだか懐かしいやつもいるじゃないか。アレもこなさねばならないな。」
私は笠を被り、杖を手に取る。
「場所は、“私”の始まり。罪なるもの。」
―我は試す、運命に逆らう可能性を
私は視る、悲劇を終わらせる可能性を―
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます