第7話 夫が出かけた

玄関のドアが閉まった音がした。

寝た気がしなかったが、いくつかの夢を覚えてるということは、きっと眠ったのだろう。

昨日は台所の片付けもせずに寝室に閉じこもったので、朝からやらなきゃいけない事がある。お昼前には出かける予定もあるのに、体調が良くない。

しかし、昨日の事は、夢じゃないよね…。

一緒に暮らすと夫が連れて来たあのコも、一晩、家に居たのだろうか。

そして、一緒に出て行ったのだろうか。


まったく意味がわからない。


おかげで私の誕生日が最悪だった。


悪夢だといいけど、今更浮気ぐらいで騒ぐつもりは無いけれど。あのコは年齢的にアウトだろう。 ん?20歳を過ぎていたら大丈夫か。

いやいや、とりあえず。止めてもらおう。

もうすぐ40歳だというのに、何をとち狂ったんだよ、あいつは。

紅白でAKB48を見て「こんな子供何がいいのかね。もう若い子の顔なんて見分けがつかないわぃ」とか言ってたじゃん。

「オレは熟女の方がいい」とか言ってたのはフェイクだったのか。


なんにしてもムカつく。

今日はこのモヤモヤは消えないだろう。

ため息で深呼吸をした。


さて。片付けるか。

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