第3話 猫と妻の初対面

インターホンを押して「ただいまー、開けてー」と。

「なによもう。今忙しいのに」と、台所から妻が、玄関に。

ドアを開けたらびっくりするぞ。


「はい。お誕生日おめでとう!!」

「…、ぇ、、なに?」

ドアが閉まった事を確認して

キャリーバッグから猫を出して抱き上げた。

「うわぁ! どうしたの〜♪」と 喜ぶはずの妻が、、 戸惑った顔のまま固まっている。

「今日、お前の誕生日だからさ」

「女の子だよ、かわいいだろう」と

猫の顔を妻に向けると、妻はあからさまに迷惑そうな顔をしている。

あれ?なんで?どうした?

そんな我々をよそに猫はするりとオレの腕をすり抜け床におり、トコトコと家の中に入って行ってしまった。


とりあえず、オレも家に上がり、猫を探すと、オレのパソコンとか本や衣類を置いてある物置みたいな部屋の奥に入っていた。

ちょうど良い。この部屋に今日から猫を飼うために準備をしたものをためて置いてあるのだから。とりあえず、餌と水と、トイレを用意して、慣れるまでここで過ごしてもらうとするか。


何故か不機嫌な妻が「こんなに早く帰って来ても、まだごはんできてないわよ」と言うので「ゆっくりでいいよ」とオレは着換えて猫の身の周りを整えた。

オレの物置部屋はあっという間に猫のための部屋になり、オレのお気に入りの部屋着のフリースは猫に占領され猫のベッドになった。

クンクンと匂いをかぎながら、猫は自分の居場所を作って落ち着いたようだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る