第9話 新必殺技! 注入!
「しまった!? 悪ノリしてパワーがでない!?」
姉の真理亜は攻撃しまくりでエネルギーを使い過ぎてしまった。
「しまった!? カラータイマーを作るのを忘れてた!?」
お約束の3分過ぎるとピコンピコン光るカップラーメンが出来たことを教えてくれる例の奴である。
「分かった! どこかからか除菌専用のバスターランチャーが現れて、ウイルスモンスターを倒すのね!」
「ないない。」
「アハッ!」
困った時は笑って誤魔化す姉。
「一つだけウイルスモンスターを倒す方法があるわ。」
「それは何!? 教えて! コロナちゃん!」
「かなり真理亜ちゃんには危険な戦いになるわよ!? それでも聞きたい!?」
「やめとく!」
変わり身の早さは天下一品な姉。
「コラー!? 話が進まないでしょ!? あんた!? やる気はあるの!?」
「ごめんなさい!? ぶたないで!? 蹴らないで!? 聞きます!? 聞きますから!?」
ボコられた真理亜。
「注入するのよ!」
「注入?」
「真理亜お姉ちゃんに難しい言葉は理解できません。ペコッ。」
良く出来た妹。
「ウイルスモンスターに近づいて、直接、私のコロナ・ワクチンを打ち込むのよ! アハッ!」
「なんだ~! そんなことか~! 楽勝だね! アハッ! ・・・・・・って、そうなる訳ないだろうが!?」
最後の手段はウイルスモンスターに直接ワクチンを打ち込むという危険な接近戦だった。
「私に死ねというの!? 嫌よ!? あんな凶暴な危ない奴に近づけるものですか!?」
「大丈夫。お姉ちゃんなら、できるよ。楓のウイルスを分けてあげるね。アハッ!」
姉は妹からコロナちゃんウイルスを分けてもらった。
「ありがとう! 楓! お姉ちゃん、楓のためにも頑張るからね!」
そして再び立ち上がる真理亜。
「くらえ! ウイルスモンスター! 私がウイルスを除菌する! これが私のコロナ・ウイルス・ワクチンだ! コロナ・パンチ! アハッー!」
真理亜は勇気を出してウイルスモンスターにパンチを打ち込む。
「ギャアアアアアアー!」
パンチのワクチンに触れたウイルスは除菌されて姿を消していく。
「おまえはもう除菌されている。」
パンチの一撃でウイルスモンスターを倒した真理亜。
「お姉ちゃん、スゴイ!」
「もっと褒めて! アハッ!」
「真理亜ちゃん、カッコイイ!」
「もっと言って! アハッ!」
妹とウイルスに褒められて、直ぐに調子に乗る姉。
「悪いウイルスを除菌して、楓の抗体を見つけ出してやる!」
世界の平和は二の次の優しいお姉ちゃんだった。
つづく。
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