第4話
「で、僕の何を知りたい」
「何もかも?」
「何もかも・・・?」
彼女は頷く。
「名前は・・・」
「そういう意味ではなく、君の本質を知りたい」
「本質?」
彼女は、再度頷いた。
「で、それまでは、どのくらいかかる?」
「私は物覚えが悪いから、かなり時間がかかるかな」
「で、どうやって、僕を理解してくれる?」
彼女は、近づいてきた。
幽霊のはずなのに、僕の体に触れる事が出来た。
すると、僕の魂は器から抜け出した。
「えっ・・・」
「さあ、行こう。旅に」
「旅に?」
僕は尋ねた。
「一緒に旅をすれば、君がどういう人か私にはわかる」
「食事はどうする。睡眠は?」
「今は、半分死んでいるから、その心配はない」
「で、どこへ旅するの」
「風の向くまま、気の向くまま、あきるまで付き合ってもらうわよ」
僕はため息をつく。
「長くなるよ。」
「時間はたっぷりあるよ。君となら乗り越えられる」
彼女は笑うが・・・
「もう壁は、笹木さんにはないでしょ」
「ううん、最大の壁が残ってるわ」
「最大の?」
【君の心を盗むという壁がね】
夜明け前 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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