第26話 それぞれの課題2
翌日。今日から夏休みが始まり、早速エバ達はあらかじめ教えてもらっていたキッドの家の前に来ていたが……
「んー……まさかここじゃないよね?」
「間違えたんじゃないですか? だって家じゃありませんよこの建物……」
「そうよね……どう見てもこんなでかい建物家じゃなくて何かの施設よね……」
「でも、一様インターホンあるよ」
「エバ押してみなさいよ!」
「お願いします」
「えー……」
キッドに教えてもらっていた場所に着いたエバ達であったが、目の前にある建物がどう見ても家には見えない大きさの為、インターホンを押すか否か立ち往生していた。
「お前ら何してんの? ずっとうろちょろしてるのカメラに映ってるから」
目の前の大きな建物から何食わぬ顔で出てきたキッド。どうやらこの建物がキッドの家で合っていたみたいだ。
「いや……普通家だって思わないからこの大きさは」
「そうか? 普通だろ。まぁ、こんなところにいないでさっさと来いよ」
「「「……うん。」」」
どうやらキッドには一般人の感覚は通用しないようなので、諦める事にしたエバ達。キッドに案内され、家の中へと入っていった。
「「「……なにこれ(何ですかこれ)」」」
「なにこれって俺の家だろ。お前ら驚き過ぎだって」
「こんな家見たら驚くに決まってるじゃない! もう城よ城!」
「大げさだなー。学校の方がでかいだろ」
「「「……」」」
自分の家と学校を比べる高校生が居るのかと問いたくなったエバ達であった。キッドの家の前で4人で家の大きさについて話していると……
「あらー! もしかしてキッドのお友達?」
「おう! 一緒にバンド組んでんだ」
「あなた達がキッドとバンド組んでくれてるお友達なんだ! いつもキッドから聞いてるよ」
「おーい……あんま変な事言わないでくれ」
「ごめんなさいね! 挨拶が遅れてすみません! キッドの母の【ガゼル=ステラ】です。夏休みの間好きなだけうちのスタジオで練習してね! みんなの事応援してるから」
「「「ありがとうございます!」」」
「それじゃあ練習頑張ってねー!」
そう言ってステラは家の中に入って行った。
「綺麗なお母様ですね」
「ほんと綺麗だったわね。やっぱりスタークに似てるわね」
「俺も思った! 一瞬スタークが来たのかと思った」
「スタークがなんだって?」
「「「えっ!?」」」
エバ達以外の声がして振り向くとそこには、この世界でトップのギタリスト、スタークが立っていた。キッドと同じぐらいの身長で、髪色はキッドと逆の赤に黒いメッシュが入っている。そして、見る人が吸い込まれそうなほど綺麗な黄金の瞳と目が合っていた。
「アニキ……」
「どうもー! キッドのお兄ちゃんのスタークです! 悪いなビビらせて! 可愛い弟の友達見たらいじめたくなっちまった」
「こちらこそすみません!」
「スタークさんの事呼び捨てにしてしまいました」
「すいませんでした!」
あのエレナが敬語を使い、エバに至っては恐ろしく早い土下座を披露していた。
「おいおい! 別に良いって! 別に俺は神様って訳じゃないんだぜ? 呼び捨てで良いよ!」
「アニキあんま茶化すのやめてくれよ」
「つれないねーキッドは! このこのー!」
そう言ってキッドの頭を撫でまくるスタークであった。
「人前でそれやめろよ、恥ずかしい」
「別に良いだろ! キッドのバンドメンバーだろ? 照れるなよ」
「ああああ! もう良いからあっちいけよ」
「はいはい。じゃーまたね!キッドの事よろしくな」
「「「か、かしこまりました!」」」
「お前ら……」
「そりゃ驚きますよ! あのスタークがこんな近くに居るんですから」
「そうよ! 驚かない方がどうかしてるわよ」
「驚くもなにも、俺のアニキだからな……」
「ぱあ……」
「おい! エバ! しっかりしろよ」
本物のスタークと出会いおかしくなってしまったエバを担ぎようやく4人はスタジオへと向かった。
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