第23話 キングダム3


「キュイーン!」



会場に響き渡るレオのギター……



「バンッ」



ステージの照明がレオに向けられる。次の瞬間レオ意外の時が止まった。一筋の光の下でギターを弾くレオに会場が魅入ってしまい誰も声が出せなくなっていた。レオのギターは常人では到達出来ないレベルであった。天才なんて言葉では足りない程である。今のレオを表す言葉は無いであろう。



「屋上で聴いたギターなんてまだ全力じゃなかったのかよ。常軌を逸してるぞ……」



ガロンは止まらない鳥肌をなんとか収めようと体をさすっていた。



「なんなのよあのギターの上手さ」


「凄すぎてなんて言って良いのか分かりません」


「俺もまさかここまでとは思わなかった」


「これはアニキの学生の頃超えてるわ」



キッドが少し呆れたような顔で笑っていた。



「素晴らしいギターですね! いやーびっくりしました! こんなにすごいギターはスタークさん以来ですね」



アポロは新しいおもちゃを見つけた子供のように笑っていた。



「ヘイヘーイ! おめえらいつまで見惚れてんだ? まだまだキングダムのライブは始まったばかりだぜ? 声出せよ!」



「「「うおおおーー!」」」


「「「レオ!すげーぞ!」」」


「キングダム! キングダム! キングダム!」」」



レオのギターが一旦落ち着き、ロットのMCで会場の時がより一層加速して動き出した。



「良い感じで盛り上がってきたなお前らー! 最後まで付いて来いよ?」



ロットの一言で再開したキングダムのライブ。ロットのDJ、ローズとレオは炎を吐きながら激しいギターを弾き、マリノはステージを優雅に舞いながらハープを弾き、コウの歌声で会場をキングダム一色に染め上げた。



「ありがとうございました」


「「「キングダム! キングダム! キングダム!」」」


「「「レオ様ー!コウ様ー!」」」



キングダムのライブが終わった後も鳴り止まない歓声。この日1番の歓声を背にキングダムはステージを後にした。



「エバ……」


「何? キッド」


「あいつらに勝てると思うか?」


「正直全く手が届かないね……キングダムを超えるイメージが湧かない」


「だよなー……」


「でも、超えたいとは思った。 今日みんなでライブして、すごい気持ち良かったし、このメンバーで良かったとも思った。 だから俺達でキングダムを超えたい」


「フン! エバのくせに生意気だな!」


「いてっ! やめろよキッド」



エバの頭を軽く叩きながら笑うキッド。



「あいつらを超えるなら俺達のスキルアップが絶対条件だぞ」


「もちろんそのつもり」



エバとキッドはお互いの拳を合わせてキングダムを超えると誓ったのであった。






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