つづり

ゆよ

靴音

自分の足音が耳に付いて仕舞うことが、

一日のうちに何度かある。


僕の足音はせわしなく、落ち着きのない、

非常に聞き心地の悪いおとで、ふと意識がそちらに移るたびに、溜息をついてしまいそうになる。



僕は靴音が素敵な人になりたい。足音にまで気を配れる余裕と落ち着きを持った大人になりたい。身嗜みや態度などの目に見える形だけではなく、他人が気に留めない小さなところまで心掛けが出来る人に。



コンクリートを擦るようなくぐもった音でも、騒がしさが目に見えるような音でもなくて。規則の正しいリズムを刻んで軽やかに、けれど水面をつたうような静んだ丁寧さを持って。


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