第9話 ひとまずあんしん?

(このままだと私悪い子になっちゃうぅー!)

「着いた。ここがブースだよ~」

「っ!?」


 頭を抱えているうちに、目的地に着いてしまったらしい。

 きらりが恐る恐る顔を上げると、そこには教室にありそうな普通の机と椅子が並べられていた。机の下のダンボールは気になるが、おおむねよくあるタイプのブースだ。それにしては少し閑散としすぎてる気もするが。


(よかった……とりあえず怖い部活じゃ無さそう……)


 きらりが胸をなでおろしていると、うぶが口を開く。


「なんか寂しい場所だなおい」


 ブースの立ち並ぶメイン通りから外れた細い道は、木陰になってるせいか少し仄暗い。しかも春なのに落ち葉もけっこう落ちている。


「くじ引きに負けちゃってここしか空いてなくて」

「なるほどなー。にしても言ってた通り誰もいないなー……」


 うぶが何気に呟くと、先輩は人ごとのように言う。

 

「ほんとだよね。まさかほんとに誰もいないんなんて」

「おいちょっと待て」

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