第7話 さっする

 この人(色々と)すごいなと思いつつも、うぶは頭を切り替える。


「そういや、なんで私たちに話しかけてきたんだー?」


 うぶが尋ねると、先輩は「そうそう」と答えてくれた。


「二人ともたぶん人多くては入れないんだよね? うちのブースで時間潰さないかなって」


 先輩が言うので、うぶは天文部の方を見た後きらりに目を向ける。


「どうするーきらり。私はきらりにまかせるぞー」

「え、私!? えっと……」


 きらりとしては天文部のブースを覗きたいものの、せっかく誘ってくれてたのに断るのは申し訳ない。


「天文部空いたらすぐ行ってくれてもいいんだよ」

「でも……」


 先輩が微笑むが、それはそれで申し訳ないよねときらりは頭を抱える。

 煮え切らないきらりに先輩は頬に人差し指を当て、悩まし気に首をかしげる。


「うーん、朝から困ってたから来てくれると嬉しいんだけどなー?」


 人がいない……!?


「行きます!」


 きらりの元気な返事にニコッと先輩が応じる。

 この人わかってて言ったな、とうぶは察した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る