番外 OK!!~Sub1.~
ボクが生れる前に世界がなかったとしても、ボクに何の不都合もない。
「過去が存在するんだから、君が生れる前も世界があったに違いない」
でも、ボクが生れた瞬間にすべての記憶を持った宇宙が誕生し、記憶を渡されたNPCが瞬時に誕生する。
そしたらどうやってボクが生れる前を証明できるの?何も手掛かりはないんだよ。
まして、過去があったにしてもそれを正確に知ることなんてできない。
未来が創造によってできるのだとしたら、過去もまた現在の事象から推測したものに過ぎない。
しかし、この推論には一定の恐怖を伴う。仮にボクが10分前に誕生した存在だとしてもそれをボク自身が知り得ないから。ボクが思うに今ある証拠のみですべての事象に説明を付けたいのなら過去に起きたと推測される事象を何一つとしてとして説明をできる根拠はないんだ。
仮に物語の中で時間が一次元的に進む中で過去が今ある現在に十分条件として存在する場合、ある程度現実的だと思われるルールを敷いた際に過去を推理するミステリー小説のようにこの現実ができている根拠はない。だからミステリー小説がまるであたかもボクらが自然に読めているのは、現実の感覚に則しているからとしか言いようがない。では、仮にボクが前述したとおり、過去が存在しないと設定した時空でミステリーを描くときやはりそれでも一定の説明は可能なんだよ。なぜならこの仮説の根本にボク達の認識不可能あるからだ。
ゆえにやはり世界が過去が、もしかしたら未来が必要十分条件であることを否定はされない。ボクがこのように考えている思考すら未来に誕生するボクの記憶の一旦を一定速度で映画のフィルムのように再生しているだけかもしれない。
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